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ガラスの靴はもういらない 2




元気じゃなくて空元気だけどないよりマシかなって気持ちで無理矢理テンションを上げた。お父様とお出かけである!


なんだか、リオン様達には助けていただいたらしい。ベルがごめんなさいってめちゃくちゃ謝ってた。個人的には良い夢だったのであまり責めないであげてほしい。

……夢の中でしかもうお会いできないのだもの。


思考が暗い方向に行きかけて、無理矢理別のことを考える。

私は聖人ではない。だから、まぁ殺してやりたいし不幸になってほしいし、出来るだけ痛い目に合わせてやりたい。それがどんな手であっても。

良心をあの夢の中に置いてきてしまったかしらってちょっとだけ思ったりもするけれど、自分自身で大切なものを守らなければ全部零れ落ちてしまうだけだ。だったら、今はこのままで良いだろう。



「それにしても、この辺りは空気が綺麗ですわね」

「王都も最近は魔物の出現が増えているしね。あの黒い魔法は光か闇の魔法でしか消せないようだから向こうはこちらと比べると対処が遅れている」

「私の作った魔道具をきちんと設置していれば問題はありませんよ。誰かが横入りしていれば、被害がまた出ているかもしれませんが」



教会の一部腐ってるらしいからそれちょっとフラグぽくてやだなぁ!クロイツ義兄様が「一回みんな切って新しく雇い直した方がいいと思うのだけど」と言っていた。私の可愛いお姉様は「権利主張だけは大きな声ですのにねぇ」とおっとり微笑んでいた。私のお姉様はいついかなる時も麗し可愛い。



「我が領に関してはフィンの頑張りの成果だよ。良く頑張ってくれたね」



お父様が頭を撫でてくださって、少し照れながら微笑んだ。こんな私だけれど、何かの役には立てるらしい。



「フィーネ嬢、本当に身体の具合は大丈夫なのか?休憩を適宜取った方が良いのなら声をかけて欲しい」



馬上からハルヴィン様に声をかけられて、「大丈夫ですわ」と返した。

本当に大丈夫なのだ。私魔法で身体の回復できるので辛くなるごとに自分に魔法かけてるから。魔力が他の方より多いからできる所業らしいとはレオお兄様に聞いているし、多用は勧めないと言われているけれど。


なんか、私は自分の魔法で誤魔化しが効いているだけで、すごく身体が丈夫というわけではないらしい。レオお兄様が珍しく眉を顰めていらっしゃったのだけど、だからって病弱であるというわけではないのだからそう気にすることなのかなって。



「そういえば、アルお兄様はクラウス殿下のところなのですか?」

「いいえ……あの、実は」



言いにくそうにリオン様が目線を逸らした。その瞬間に、「あ〜!フィーネちゃん起きてるぅー!」と嬉しそうな声が外から聞こえてきた。ひょっこりと顔を出したブルーにセシルが「緊張感のないやつだよな」と私の肩でため息を吐いた。

宿主の居なくなった妖精は基本的に妖精王のところへ戻るらしいけど、セシルは私のそばに留まってくれている。



「おはよぉ。アルがねぇ、ほっとすると思う」

「おはようございます。もしかして、アルお兄様、お近くにいらっしゃるのかしら?」



心配かけてたらしいので謝っとかないとって思ったら、「アルはマリン様に監禁されてるから、遠いとこぉ〜」とこてんと首を傾げた。


どういうこと、とお父様とリオン様を見ると苦笑していた。

え、何?監禁とか怖……。



「あのねぇ、連絡事項について話してもい〜い?」



ブルーの呑気な声が逆に不気味さを際立たせていた。

と、とりあえず聞いてからでも良いですよね。ね…?

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