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願い星 燃えて、流れて、そして 5




クリストファー達は確実に王都へと近づいていく。

無理をさせぬようクリストファーが気遣ったこともあるし、フィーネのアミュレットが彼らに良く働いた部分も大きい。


肌身離さず身につけていたそれは彼らの力になっていた。しかし、それに目をつけられている事にクリストファーも気付いていた。



彼女の願いと共に託されたアミュレットは、その思いの強さに比例するように強い魔力をもっている。

出発までは一応封印という形でレオナールが隠してくれていたが、王に目をつけられるのも無理のない話だった。



(目をつけられる事自体は避けられないってフィーも思ってただろうけど、多分それより視察部隊が全員無事に戻って来られるようにって願ってこれをくれたんだろうね)



クリストファーは、彼女の願いを理解せず虎視眈々と力を狙う存在に辟易する。


これがなければ何人かはきっと死んでいただろう。

王都から離れると共に魔物の数は増えていく。

最初はダンジョンの魔物が多くなる程度だったものが、街道を占拠し、村を襲い、人を喰らう。そういうケースだって増えてきている。



(一番は僕のためだろうけれど、人を救うためにとつくしてくれた彼女を無碍にしようとするなんて)



そもそもが、民に興味があるのかないのかわからない王である。

その部下だって、心ない者であればそんなものなのかもしれない。


クリストファーは気が付かれないようにそっと息を吐いた。



「殿下、お疲れではありませんか」

「君ほどじゃないよ、エド。ゆっくりさせてやれずすまない」

「いえ、俺はあくまであなたの剣。疲れなど大した問題じゃないです」



クリストファーと並んで、女性と見紛うような顔と姿をしていたエドワルドであったが、その実王子に付き従うだけの実力を持っていた彼は、あまり良くないと知っていてもクリストファーが休んでいる際は周囲を警戒する役目をも担っている。

そして、クリストファーが光の妖精石を使ってその疲れや身体にかかる負担を癒す。

そんな助け合いの元での生活であった。




あと一週間もすれば王都に辿り着ける。




「それ」が現れたのはそんな矢先のことだった。

楽しそうに宙に浮いたその男は一行を見て「あれが」と呟いた。



「ああ。あの身に纏う力は正しくあの娘の力だな」



愛しい女の企みを叶えるために彼は……グノーシアは黒い石を辺りに撒いた。



「さぁ、お前たち。我が妃の望みを叶えてやれ」



生まれ出でた魔物たちは雄叫びを上げてクリストファーたちの元へと進んでいく。



「少しは殺しがいがあればいいんだけど」

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