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セレスティアの兄妹




お花はちゃんとお部屋に飾りました。

ちょっと嬉しい気分になっていたら、リオン様からもちょっと豪華なお花とお手紙を頂いてしまった。それは嬉しいのだけれど、不幸の手紙も最近ちらほら届く。

……リオン様はおモテになるので。というかクラウス殿下もモテるのになんで私に興味を持ってしまったのかしら。不思議である。



アルス殿下はアナスタシア様がこの国で婚約者を決めたので自国の令嬢と婚約したらしい。

セレスティアは魔物の被害が多く出つつあるのでこのまま我が家に滞在していただいているけれど、「ナーシャをこっちに置いてもらって国に帰ることもあるかもしれん」と言っていた。基本的にはジュードお義兄様や帝国の騎士様と一緒にいるので私はあまり会わないけれど、アナスタシア様は少しだけ寂しそうだった。



「お兄様の婚約者もまあまあ仲良くできそうな方ですし、これで肩の荷がおりましたわ」

「おい」

「お兄様ってば、何故かやたらとあの芋娘のような女ばかりに声をかけられていましたのよ?心配にもなるというものだわ」



「引っかかったことはないだろうが」とアルス殿下は不服そうにアナスタシア様に反論していた。

アナスタシア様のお眼鏡に適ったならきっと大丈夫だろうな、と思いながらお茶を飲む。


アルス殿下のルートで一番怖いの、実はアナスタシア様である。



「ねぇ、お義姉様。お茶を用意したの!どうぞ」



そう言って出された匂い立つ花の香りの紅茶。その香りは強い毒性の花の蜜のもので一口飲んだだけのヒロインは全身から血を出して死ぬ。


何が怖いってラスボス戦も終わって結婚間近みたいなタイミングでこれが来るんですよね。



「ふふ。あなた如きが皇妃になろうなんて考えなければそうならずに済みましたのに」



そのセリフの後にスチルがつく。白薔薇の咲く庭園で愛らしくくるくる回るアナスタシア様の。


ちなみにそのあと、画面が真っ赤になって黒字でDead Endと記載される。

めちゃくちゃ怖い。



「ナーシャ」

「あら、やっと来てくれたのねアル!」

「これでも急いだのだが……」



アルお兄様を呼んでいたらしいアナスタシア様は、腕をお兄様の腕に絡めて頬を薄紅に染めて微笑んだ。それを見てアルお兄様も表情を和らげる。



「わたくしを待たせて許される殿方なんてそうは居ませんわよ」

「すまないな。立て込んでいて」



困った顔でそう言うアルお兄様だけれど、アルお兄様が気遣う女性だってそうはいないだろうなぁ。

あ、小さい花束持ってる。渡した。


コホン、と咳払いしたアルス殿下にハッとしたアルお兄様は少し恥ずかしそうだった。



「ご挨拶が遅れ、申し訳ございません」

「構わん。妹が戯れついたせいだ。だがまぁ、仲良くしているならばそれに越したことはない」



妹的にも未来のアルお兄様夫婦が仲良しならいっか、って思うので頷いておいた。

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