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手放す気はあるのか




お礼のお礼のお礼は流石に辞めておいた方がいいらしい。ジュードお義兄様には呆れた顔をされた。

どうやらこれは「贈り物」らしい。



「要するに、君に好意を持って欲しいという下心からなる貢物だね。気にせず貰ってしまえばいいよ」



な、なんと……!?

ということは、あのその。

両思いというものなのでしょうか。


顔に熱が集まるのを感じて隠すように頬を覆う。

アナスタシア様の「まぁ…!」という声をよそにアルお兄様はちょっぴり不服そうである。

小さな声で「どこで出し抜いてきたのだ、アレは」と言っていた。……あ、はい。学院です。



「正式に婚約させるにしてもまずはあれをどうにかせねばなるまい」



ついにアルお兄様まであれ呼ばわりである。でも全然可哀想とかはない。


お父様もクリス様と婚約したいって言うのには難色は示さなかったけど、婚約したら王城に囲われるっていうのがマズいから話はまるで進んでいない。

なんかむしろ宰相を降りる段取りつけようとしてるとこあるんだけど権力手放して平気なのかな?



「家に居ない間に家族が奪われかねない今の状況よりは断然いいさ。それに、請われたからやってやっていただけだ。そんなに言うのならば代わってやっても構わない」



上がる口角と冷たく光る眼差し。殺気が漏れているように感じるけれど、本気になったお父様がこんなものですまないことはわかっている。


あと、並行して行っていた領地に引きこもる準備もそろそろ終わりそうである。なんか、我が家との商いを商人に取り止めさせようとした家もあるようだけれど、そもそも我が家にだって贔屓にしているところや裏ルートがないわけではないのでやるだけ無駄である。お父様の手腕に敵うのなら是非とも陛下と競って欲しい。


もらったピアスを着けてもいいかしら、と悩んでいると「そういうものは正式に決まってからにしなさい。少し荒れるかもしれないしね」とお父様に言われたので大事にしまっておく。



「妹が姉離れをしつつあるというのは寂しいものね」

「まぁ。早く姉離れなさいって言っていたではありませんか」

「ふふ、それはそれ。これはこれです。わたくしたちだってあなたの幸せを願っているのですから、時には厳しいことを言わなければなりませんし、辛いことだって言わなくてはいけません。叶うことならば、大事に囲っていてあげたいもの」



フィンは危なっかしいもの、とリリィお姉様は笑う。



「……お前はうちにいて、親戚筋に嫁がせる方が幸せかと思っていたが」

「あら、アルも一応考えてはいたのね」

「当然でしょう。大切な妹のことなのだから」



なんかもう私が結婚する感じになっているのだけれどなぜ?

しかも「伯爵位くらいをやれば我が領で面倒をみれるか」とか言い出す始末なのちょっとどうかと思う。無理矢理婿にでももらうつもりなの?



「……お嬢様」

「何かしら」

「正直にお伝えしておきますと、お嬢様のご家族は基本皆お嬢様を手放す気がないように見受けられます」

「何故かしら。わたくしもそんな気がしていますわ」



あと、見た目ロリな私が振られるかもしれないとかも考えてなさそう。

何故?


そんな事を考えていましたが、晩にセシルを通してお花を頂いてしまいめちゃくちゃ意識しています。

助けてお父様。恋愛ってどうすればいいの!?

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