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監視と目論み



なんだか分からないけれど、あっという間にヒューお兄様とローズお姉様が結婚してしまった。

アルお兄様が妙な強硬手段を使われないのは、単に相手がアナスタシア様だからだろう。

流石に国際問題は避けたいらしい。


だからこそ、私はめちゃくちゃ監視されている。いやこんなにあからさまに見張られる事ある?


うちの小柄なメイドが家を出ようとしたら連れ込まれそうになったから、私家から出られなくなっちゃったんだけど。



「やり方が物取りのそれだな」



冷ややかにそう告げて、そいつらを兵士に引き渡したジュードお義兄様は非常に怒っていた。お義兄様ってばだいぶ怒っている。なにせ我が家には妊婦さんがいるので余計にだ。



「フィーネ。君は特に心配せずとも良い。リリィも君が心穏やかに生きられることを望んでいる」

「ありがとうございます。ですが、このままというわけにもいきませんでしょう?」

「義父上が動いてくださっている。ずっとこのままにはならないよ」



だから短慮はやめようねとオレンジ色の瞳が語っている。あ、はい。お家にいます。


要らないことをしてお父様たちのお邪魔をしてはいけませんものね!

私そんな命知らずじゃないので!!


そう思いながら微笑んで頷いた。内心は激しく首を縦に振っているけれど、またリリィお姉様に「淑女の行動ではなくってよ!」と言われてしまうので。


それに満足そうに頷いたジュードお義兄様はリリィお姉様の元へ向かった。

リリィお姉様とジュードお義兄様が並んだ姿もまた眼福です。ありがとうございます。






そんな感じで過ごしていたら、クラウス殿下とクリス様が家にやってきた。



「父上が本当に申し訳ない」



二人ともが疲れた顔をしている。

いやまぁ、私のお父様やお兄様だって疲れた顔はどっこいなんですけど。



「わたくしは父に守っていただけておりますわ」

「だからこそ余計に申し訳がない。リオンは今中央の神殿で結界を張らされているため今日は来られなかったが…あいつにも謝っておいて欲しい言伝っているよ」



そう言って苦笑するクラウス殿下。



「父上は何故だか私たちを分断させたがっている。そして、その上で君を確保したがっているように見受けられるのが少し気味が悪い」



その言葉を聞いて背筋に悪寒が走る。

それってつまり、彼は真実息子に私を与えようとしているわけではない…ということではないだろうか?

私が肌を摩ったのを見てか、バベルが膝掛けを用意してくれた。



「シュトレーゼ嬢やトーラス嬢も狙われていたところを鑑みるに、女性の妖精の愛で子を手に入れたがっていると考えて良いと思うんだ」

「トーラス嬢はフィーネが呼び出されてそう経たないうちにトーラス公爵が領地へ連れて行った。彼はおそらく魔力の多い我が子を心配してということだったと思うのだけれど、結果的にそれが彼女を守る一手となった」



クリス様の推測とクラウス殿下の情報。

それから、三人の女性の愛で子と三人の王子。


息子をバラバラの場所に置き、城に私たち「女」のみを滞在させたその先というのは?


まさか、という考えに緊張と恐怖で喉が張り付いた。

100ページ突破してました。いつもありがとうございます!

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