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ライバル令嬢の妹になりまして  作者: 雪菊
本編

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10/203

会話が噛み合いません



毎日家庭教師からのお勉強に学院が休みの日のレオお兄様が来た時にお勉強させられる分で前世の倍以上勉強している気がする。頭がぐるぐるしちゃう。輝かんばかりの笑顔で参考書を積み重ねるレオお兄様軽く恐怖だ。最初は気がつかなかったけれど、たまにレオお兄様とアルお兄様が喧嘩しているすきにヒューお兄様が外に連れ出してくれている。逆もある。


そんな勉強漬けの日々を送っていたある日、慌てたリズベットに呼ばれて応接室に向かったらリオンハルト殿下がヒューお兄様を伴って優雅にお茶していた。


「久しぶりですね、フィーネ?」

「殿下、妹とは貴方は何の関係もないはずですが。」

「宰相殿が許可を出してくださればすぐに関係ができますよ。」

「はは、お戯れを。」

「戯れではないと言っているのに、ヒュバードもギルバードも信じてくださらないのですよ。酷いとは思いませんか?」


苦笑しながらそう言うリオンハルト殿下は輝かんばかりの美少年だった。私がショタコンだったら涎を垂らして喜んだに違いない。


「えっと……お友だちになるということでしょうか?」

「このガツガツ来ない感じが非常に好感触なのです。」

「うちの妹は控えめで可愛らしいでしょう。あげませんよ。」


なんだか会話が噛み合っていない。振り返ってバベルを見ると、表情が無になっていた。我が国の王子様と公爵家令息はお気に召さなかったのだろうか。


「殿下は……」

「リオン、と呼んでください。フィーネ。」

「畏れ多いことです。」

「君にはそう呼んで欲しいのです。」


悲しげに目を伏せて、「私の周囲にはヒュバードくらいしか名を呼んでくれる友人がいませんので……。」と言われて、立場的にも難しく友人も作りにくいのか、というところに思い至る。そして、つい「公式な場でなければ、呼ばせていただきます。」と返事をしてしまった。

後ろの執事が「お嬢様チョロ……。」なんて言っている。聞かなかったことにした。


「それではリオン様。一体我が家に何の御用でしょうか?」


呼ばれた以上は私が何かやらかしたか、光の魔法使いがまた「偶然出払っていて」光魔法が目当てでやってきたのか、そのどちらかだろう。

そう思って少しの緊張もしていたのだけど、彼はあっさりと「友人の家に遊びに来ただけですよ。」と微笑んだ。


「では、お嬢様は関係ありませんね。ヒュバード様に任せて下がりましょうか。」

「フィーネは最近勉強漬けらしいですね。お菓子などいかがですか?」

「妹を餌付けするのはやめてください。」


三者三様に話が通じない。

思えば、レオお兄様も話が通じないタイプだ。私が知っている中で一番話を聞いてくれる男性はお父様かもしれない。


そんなことを考えながら、リズベットが用意してくれた紅茶を一口飲む。王子様が来ているからか、いつもより良い茶葉を使用している気がする。よくわからないけれど。


「今日は良いお天気ですね。」

「ええ。こんなに良いお天気ですもの。リズベット、お庭のお花を観ながらお茶を飲むというのも素敵ではないかしら?」

「それでは、ご用意いたしましょうか?」


三人で騒ぎ出したので、リズベットとお茶でもするかな。なんて思って二人で部屋を離脱する。お茶の用意をしてもらうと、ローズお姉様がいらしたので誘うと微笑みを浮かべながら頷いてくれた。非常に可愛い。

それにしても、気がつけば王子様は帰っているし、ヒューお兄様とバベルはお母様に怒られているし、アルお兄様は疲れていらっしゃったけれど、私が逃げてから何かあったのだろうか。


「ふふ、お茶が美味しいわね。フィン?」

「はい、お姉様。」


まぁ、微笑ましげに私たちを見るリズベットといつでも尊いお姉様が楽しそうなので大したことはないでしょう。

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