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Frontier World 説明書  作者: ながワサビ64
ぼくの考えた最強召喚獣
9/21

3匹目


名前→玉藻

性別→どちらでもなれる(化ける)が普段は女

種族→妖孤

容姿→140センチくらいの金毛の狐(人型でも同じ)。

タイプ→魔法攻撃型

一言→ふさふさな尻尾は8本。口調は難解かつ老齢の方が話しそうな感じで。化ける、化かすが得意分野。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 飛ぶ鳥を落とす勢いというのはこういう事を言うんだな。と、燃え落ちる鳥達を見ながら、目の前にいる少女に拍手を送った。


 昆虫森林で発生した討伐クエスト。標的は(おびただ)しい量の鳥、鳥、鳥。ポイズン・スパロウという名の(スズメ)の群れである。


『毒を孕んだ病鳥(やまいどり)なんぞ食えるか! 何が食べ放題じゃ! あの狸爺(タヌキじじい)(ワシ)を騙すとは舐めた真似(マネ)しおって』


「玉藻さん? 鳥を食べたいからって理由でクエスト受けたのですか?」


 自らの欲を満たすためだけにクエストを受けるとは……なんて自由な召喚獣なんだ。この()は。


 金色の髪を揺らしながら、同色の八尾(はちび)から出る青白い炎を乱射し、周囲の雀を秒間3匹の勢いで迎撃していた。


 ガトリングガン(さなが)らだな。


 食べられないのが分かって相当悔しかったのか、腕を前で組み、ぎりぎりと歯を鳴らしながら雀を睨みつけている。


『ここが片付いたらあの狸を殺す!』


「キレすぎだろ……」


 帰りにチキンでもご馳走してやるか。そんな事を考えていた俺に、1匹のポイズン・スパロウが急降下してくる。

 玉藻の包囲網を信頼し、まるで警戒していなかった俺は回避が遅れ、毒を持つ鋭い嘴が内腿(うちもも)付近に突き刺さる。


「った!」


 やられた。仲間を次々と倒された腹いせか、最後の抵抗か……。玉藻は最後の雀を鬼火で焼き消し、俺の元へ歩み寄る。


主様(あるじさま)……嗚呼(ああ)病鳥(やまいどり)なぞに刺されてしまわれて。玉藻が治す。傷口を見せるんじゃ』


「だいじょぶだいじょぶ。毒消し持ってるし」


『毒を吸い出さねば』


 へ?



 カプッ。



 目の前の狐耳がぴょこぴょこ動く。もふもふの尻尾がふりふり動く。


 玉藻が俺の内腿に吸い付いていた。


「いや! 毒消しあるってば!」


『蛇に噛まれたら毒を吸い出すのは定番じゃろう?』


「蛇じゃないし、そんな古典的な方法で毒が治るか!」


 妖しい笑みを浮かべながら、ペロリと舌舐めずりする玉藻。

 何度この顔を見たことか。娘のようだと告げた次の日からこれだ。俺が何したっていうんだ。


 ともあれ、実はこの玉藻だが……


「玉藻。クエストも終わったし帰るぞ」


『帰りに焼き鳥買って欲しいんじゃが……』


「ん。今日頑張ったからな。そのつもりだったよ」


『う、うむ』


 すんなり要求が通ると大人しくなる、お茶目さを兼ね備えていたりする。

@りりあ様

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