3匹目
名前→玉藻
性別→どちらでもなれる(化ける)が普段は女
種族→妖孤
容姿→140センチくらいの金毛の狐(人型でも同じ)。
タイプ→魔法攻撃型
一言→ふさふさな尻尾は8本。口調は難解かつ老齢の方が話しそうな感じで。化ける、化かすが得意分野。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
飛ぶ鳥を落とす勢いというのはこういう事を言うんだな。と、燃え落ちる鳥達を見ながら、目の前にいる少女に拍手を送った。
昆虫森林で発生した討伐クエスト。標的は夥しい量の鳥、鳥、鳥。ポイズン・スパロウという名の雀の群れである。
『毒を孕んだ病鳥なんぞ食えるか! 何が食べ放題じゃ! あの狸爺、儂を騙すとは舐めた真似しおって』
「玉藻さん? 鳥を食べたいからって理由でクエスト受けたのですか?」
自らの欲を満たすためだけにクエストを受けるとは……なんて自由な召喚獣なんだ。この娘は。
金色の髪を揺らしながら、同色の八尾から出る青白い炎を乱射し、周囲の雀を秒間3匹の勢いで迎撃していた。
ガトリングガン宛らだな。
食べられないのが分かって相当悔しかったのか、腕を前で組み、ぎりぎりと歯を鳴らしながら雀を睨みつけている。
『ここが片付いたらあの狸を殺す!』
「キレすぎだろ……」
帰りにチキンでもご馳走してやるか。そんな事を考えていた俺に、1匹のポイズン・スパロウが急降下してくる。
玉藻の包囲網を信頼し、まるで警戒していなかった俺は回避が遅れ、毒を持つ鋭い嘴が内腿付近に突き刺さる。
「った!」
やられた。仲間を次々と倒された腹いせか、最後の抵抗か……。玉藻は最後の雀を鬼火で焼き消し、俺の元へ歩み寄る。
『主様……嗚呼、病鳥なぞに刺されてしまわれて。玉藻が治す。傷口を見せるんじゃ』
「だいじょぶだいじょぶ。毒消し持ってるし」
『毒を吸い出さねば』
へ?
カプッ。
目の前の狐耳がぴょこぴょこ動く。もふもふの尻尾がふりふり動く。
玉藻が俺の内腿に吸い付いていた。
「いや! 毒消しあるってば!」
『蛇に噛まれたら毒を吸い出すのは定番じゃろう?』
「蛇じゃないし、そんな古典的な方法で毒が治るか!」
妖しい笑みを浮かべながら、ペロリと舌舐めずりする玉藻。
何度この顔を見たことか。娘のようだと告げた次の日からこれだ。俺が何したっていうんだ。
ともあれ、実はこの玉藻だが……
「玉藻。クエストも終わったし帰るぞ」
『帰りに焼き鳥買って欲しいんじゃが……』
「ん。今日頑張ったからな。そのつもりだったよ」
『う、うむ』
すんなり要求が通ると大人しくなる、お茶目さを兼ね備えていたりする。
@りりあ様