1匹目
ぼくの考えた最強召喚獣のコーナーです。
もしも主人公の最初の召喚獣がこの子だったら。という体で書いております。
名 前:ルミナス
性 別:♀
種 族:ドラゴン
容 姿:深い翡翠色の龍鱗をした西洋竜
タイプ:攻撃
スキル:【ブレス】【風魔法】【火魔法】【物理耐性】【魔法耐性】【状態異常耐性】【人化】【竜人化】
備 考:一人称は『吾輩』で他人称は『汝』、のんびり屋であるが戦闘となると苛烈な攻勢でもって敵を滅する古臭い口調のドラゴン。専用スキルに『人化』及び『竜人化』を有していて、街中では十二単を着た美少女の姿で過ごしている。『竜人化』使用時では、人の姿のままで、竜の時の腕や脚となり、翼が生え、『ブレス』が使用可能となる。
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およそ鳥では超えられない未知の速度で流れる風景に、慣れる物だなと自分に関心すらしていた。召喚したその日に頭に乗せられ、年甲斐もなく泣きそうになったのは懐かしい思い出だ。
『主よ、何を黙っておるのだ?』
「あぁ。なんか、こうして空を飛んでると、ルミナスと初めてあった日のことを思い出すなーって」
『む、吾輩も反省しておると言っておろう! 主に会えて嬉しかったのだ』
「わかってるわかってる。可愛いやつだな」
翡翠色の鱗を撫でると、ルミナスは擽ったそうに体を捩らせた。
気分が良くなったのか、急に高度を下げたルミナスがゴブリンの群れに向かっている事に気付く。やば、耳を……
瞬間、世界の音が消え去った。
絶対破壊の光線が平原を大きく穿ち、ゴブリンはおろか周辺のモンスターの殆どが、赤と緑の入り混じるブレスによって消し飛んだ。
乗ってる時にブレスはやめろっていつも言ってるのに……。
ゆっくりと地に降り立つのを合図に、俺はルミナスの正面で仁王立ちをする。しまったという顔でたじろぐルミナスだったがもう遅い。今日こそはガツンと言ってやろう。
途端、ルミナスの体が光を放ち、竜のシルエットがみるみる小さくなっていく。そこから形成されるは人の形。立派な十二単が体に纏われ、光が徐々に収まっていく。
現れたのは緑の髪の少女。絹のように細く繊細なロングヘアーが風に靡くと、妖艶な少女の色気が更に増す。
竜の姿も神々しく美しい物であるが、人の姿をしたルミナスも、息を呑む程美しい。
まずい。この姿になられては……。
『つい気分が高まってしまっての、どうか許してほしい』
「絡みつくな! その姿は反則だ!」
『なぜじゃ? どの姿の吾輩も好いてくれてるのではないのか?』
「お前わかってやってるだろ!」
妖艶な少女はくすりと笑り、身を委ねるかのように肩に頭を寄せてくる。
俺がこの姿に弱い事をルミナスが知っているように、俺もお前の弱い所を知っている。
主舐めんなよ。
『っわ!』
淑女らしい態度が一変、可愛らしい声を上げながら飛び上がるルミナス。
俺の手には彼女の尻尾が握られている。
「気が抜けると尻尾が竜化する癖、まだ治らないなぁ」
『うぅー!』
先ほどの威力は何処へやら。涙目になりながら、ぽこぽこと殴るルミナスの頭を撫でる。最強種の竜族も、こうなってしまえば可愛いものだ。
『主よ。今度は海とやらに行ってみないか?』
「レベル上げしたいんだけど……」
『そんなものは後じゃ! 後!』
いくぞ! と、空へ飛び上がるルミナス。
俺と飛ぶのが余程楽しいのか、彼女は毎日上機嫌だ。
彼女を見ていると、不思議と俺も楽しくなってくる。
召喚から5日経った今日もまた、レベル上げはできそうにない。
@煌 焔 様