5匹目
名 前【サーフィス(上っ面)】
性 別【♂】
種 族【巨大蟲】
容 姿【人が乗れるサイズのアメンボ】
タイプ【乗騎】
一 言【一人称は『おいら』で定位置は鞍の下(乗せっ放し)。気風の良い江戸っ子。水上と空中、草原や平野を滑る様に移動出来る。】
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インフィニティ・ラビリンスには数多くの罠がある。例えば踏んだ床がスイッチとなり落とし穴ができたり、例えば宝物を空けたら別の場所に飛ばされたり。
いつものようにサーフィスに乗りながら、俺は迷路内を探索していた。開始2時間で既に3つ目の宝物を入手している俺たちは、かなり順調なペースだと思われる。
「疲れてないか? サーフィス」
『おいらは浮いてるから疲れ無い!』
空中を滑るように泳ぐアメンボのサーフィスには、背中に俺を乗せている以外の疲労が無い。入り組んだ迷路の中だとしても、サーフィスは通常運転で泳いでいる。
レーダーが赤色の光を放つ。
真っ直ぐ道なりに行った所には通路とは違う形の空間があり、どうやらレーダーはその場所を示しているようだった。
「サーフィス。このまま真っ直ぐいってくれ」
『あいよっ!』
いつになく張り切るサーフィスはスピードを上げる。俺も振り落とされまいと鞍の突起を掴み、レーダーが指し示す場所を目指す。
着いた場所は横幅約20メートル、奥行き不明の一本道。遠すぎて米粒大の大きさ程度でしか確認できないが、一番奥には煌びやかな装飾が施された玉座に佇む宝物が見える。
しかしなんでこんな遠くにあるんだ……。
「あああ!!」
「落ちる! 落ちッーー!?」
「天井がああ!! うげッ!!」
先行くプレイヤーの群れに目を向ける。
突き出した槍を必死に避ける者、徐々に広がる落とし穴へと消える者、落下してきた天井に潰される者ーー正に、地獄絵図だった。
敵が出るタイプの部屋ではない。あの場所にたどり着くには夥しい量の罠を掻い潜らなければならない罠部屋だ。
「……サーフィス」
『……おいらも、申し訳なくなってきた。いつか誰かに張り倒おされるかもしれねー』
とは言いつつ、遠慮するつもりも更々ない。サーフィスを促すと、彼は実に優雅に進んでいく。罠が埋まる床の上も、空いた穴の上も……。
今回のイベント、罠部屋に限ってはサーフィスの独壇場だ。例え何が仕掛けられていようと、かなりのスピードでもって通過されれば無意味となる。床に仕掛けられた罠に至っては発動すらできない。
ずるいとは思う。悪いとは思わないが。
必死にしがみついて落とし穴に落ちまいとしていたプレイヤーが、上を通過した俺たちを見上げ、安らかな表情で落ちていく。
悪いな、宝は俺たちが総取りだ。
@功之丈様




