どうしたらいい?
雪村 守。
来栖川家に引けを取らない財閥の次男。
政界にも親類縁者がいるらしい、漫画の世界のようなエリート一族だ。
性格は基本、常に笑みを浮かべ誰に対してもフレンドリー。
文武両道でもあり仲間や学校の先生からの信頼も厚い。
あと顔もいいから取り巻きの女の子からは常に騒がれているがその子達にも優しく紳士的に接している。
来栖川瑠璃香とはお互い13歳の時に家同士の言いつけにより婚約。
イギリスで開かれた婚約パーティーで初めて出逢ったその瞬間守に一目惚れして、瑠璃香は日本に帰りたくないとワガママを言って数ヶ月イギリスの学校に通わせてもらうことになる。その間あの男にべったりまるでストーカーのように張り付いて他の女の子達を牽制していた。
守は表面上私が側に居て嬉しいとか、可愛いねとか言っていたが実際のところ面倒でウザいワガママ女だと思っている。というか嫌っている、最終的に殺すからね。
雪村家にとって来栖川家が利用価値があること、婚約すれば言い寄る女達が減ると考えたから良い顔をしているにすぎない‥というのがキャラクター紹介のページに書かれていた気がする。
ぱちり
天蓋付きのふかふかベッドで目を覚ました私はゆっくり起き上がって目を擦った。
どうやら私は夕食の最中に気絶してしまったらしい。いつの間にか着せられていた肌触りの良いネグリジェをぼんやり眺めながらお母様とお父様の言葉を思い出して再び恐怖した。
夢じゃなかったのか、ちくしょうっ!
頭を抱えてため息をついた。
そういえば今何時なのだろうと時間を見ようとした時、コンコンと控えめに部屋がノックされ頬を染めたメイドが数人入ってきた。
皆熱でもあるのかと不思議に思っていると長い髪を後ろに一つに纏めているメイドが笑顔でこう告げた。
「おはようござい瑠璃香様。守様がお見えになりましたので支度を致しましょう!」
はて、このメイドさんは何を言っているのだろうか?
今は朝なのは分かった。うん、時計を見れば8時を示しているからね。
マモルサマガオミエニナッタ?
いやいやいや!早すぎでしょ、来るとしたら夕方くらいかなーとか考えてた私が甘かったのか。
まさか空港から直接来たのか?一度自分の家に帰ってから来てほしかったよ!
まだミッションも、今日のための作戦も考えてないのに私はどうしたらいいのだ。
笑えばいいと思うよ!
どこからかそんな声が聞こた気がした。
次こそヤンデレさんでるはず。