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~プロローグ~

気合い入れて盛ったあらすじブッパして大丈夫か?

大丈夫だヤッテヤルデス! たぶんね♪ 

という感じなわけです。一応頭の中では流れの大部分は出来てるので時間がある時に更新していく形かな? (頭の中のものを文章にする難しさ、みなさんも経験済みかと思いますが……)たぶん完結するのに時間かかるかも

完結はするつもりです←∵(´ε(○=(゜∀゜ )当たり前だパンチ。

読んでもらって楽しめてもらえたら嬉しいです。それではどうぞよろしくお願いします。

 真昼に見る夢は最悪だ。

 現実に目を覚ましたところで得るものはない。

 虚構は大手を振って世を歩く。

 きっとこれは狂気なのだ。

 何もかもが矛盾を孕んだとして、気に止める者などいない。

 秩序はすでに破綻してしまったのだから。


 ラークラーク。


 世界の様相が音も無く変わったのはいつだったか──



 私は知らない。






 街を車で抜けると荒野に出た。人で賑わう市街とは打って変わり、頭上を太陽に照らされる荒涼とした大地が眼前に広がった。そんな岩場に舗装された道があるわけもなく、車内はガタガタと音を立てて揺れ始めた。


「ほへぇ!?」


 私は突然の出来事に珍妙な悲鳴を上げた。恐らくこんな声はもう二度と上げることは出来ないだろうなと、私は今この状況に似つかわしくないであろうそんなことを考えた。その間も車は瓦礫の上をガクガクと進んでいく。私は反射的に後ろを振り返った。しかしそこにあるはずの人々の雑踏は消え失せ、代わりとばかりに白い瓦礫の山が塔のように聳えていた。

 瓦礫の塔に目を奪われている間も車は前へと進む。

 しかし私はその塔から目が離せなかった。

 普通、ではなかった。

 自然に出来たとは考えられないそれは誰かが作ったものなのだろうか、しかしどうやって作ったのか? なぜ作ったのか? 分からなかった。しかし普通ではなかった。


 私はその塔から目が離せなくなっていた──


 

 突然、強い衝撃と共にエアバックが勢いよく飛び出し私は蟀谷を強打した。瞬間、舞い散るガラス片に意識が混ざり合い霧散していくのを感じて、私はそこで途切れてしまった。





「あ、めがさめたみたい」

「本当かい? どれどれ、まだはっきりしないみたいだねえ」

「あ、またねちゃった」

「覚醒の兆候は確認出来た、あとは見守るだけさ」

「この人間、助かるの?」

「こいつ次第だろ」

「さあみなさん、今日はもうおしまいよ。各自忘れ物がないように気をつけてお帰りなさい」

「はーい、さようならせんせー」

「さようなら、先生」

「みんなじゃあなー」

「また明日、デュランタ先生、それと人間くんも」

「ええ、アレイも寄り道せずに帰るんですよ」

「ははは、もう子供じゃありませんよ。では、さようなら先生」


「さて、わたしも帰りますね。また明日会いましょう、人間さん」





 目が覚めると視界に少女が映っていた。どうやら部屋の掃除をしているらしい。

 話しかけようと私は口を開こうとしたが、思うように動かせず声も出なかった。そんな事をしている内に、少女は私が起きたことに気が付き急いで部屋を飛び出して行ってしまった。


 私は状況を把握したいと感じた。


 頭はまるで鉛でも詰められたかのように重たく感じた。そして体はもとより指の先すら動かせないことが分かった。あれやこれやと試行錯誤をしてみたが、結局出来ることと言ったら頭の向きを変えることのみだった。

 私は少女の去った部屋をぐるりと見回した。

 何の変哲もない部屋だった。頭のすぐ横に棚がありそこには水差しが備えられていた。しかし病室には見えない、むしろどこか温か味がある。ただ一つ違和感があるとすれば、部屋の材質がどう見ても石で出来ていることだった。岩肌は石灰を思わせる灰色に赤褐色の岩石のような凹凸が所々に見受けられ、開け放された扉もまた石で出来ていた。

 私は、しかしその異様さに対してあまり驚かなかった。

 ここはどこなのか?

 なぜこうしているのか?

 疑問が浮かんでは答えを得られず沈んでいく。考えたところでわからない。

 私の頭はどうやらこういう時に思考を停止出来る便利な作りになっているらしい。

 言い方を変えれば現実逃避なわけだがたぶん大丈夫。きっと大丈夫。うん大丈夫だな。よしよしっと。

 どうやら不安はあるらしく、私は根拠のない励ましを脳内で繰り返した。


 しばらくそんな脳内考察を繰り広げていると、部屋の奥、扉の向こう側から音が聞こえてきた。

 音はどうやら足音らしく、少なくとも二種類は聞こえる。それが近付いてくる。私は緊張した面持ちで開扉されたままの出入り口をじっと見遣った。

 やがて音の主たちがその姿を現した。

 やはり人数は二人いた。いや、正確には三人かも知れない。一人目は大人の女性、続いて先ほどの少女が部屋に入ってきた。そして三人目の姿を見た時、私は音の出ない悲鳴を上げた。


「いやいや、ワシの姿を見てそういう反応をするとは芸がないねぇキミ」

 三人目は巨大な瞳だった。浮遊する巨大な瞳はどこで発声しているのか分からないが、若干嬉しそうな物言いで私の顔を覗き込んだ。

「ワシはこう見えてこのドラセナの長でね、キミが目覚めたとそこにいるネムから聞き及びこうして挨拶がてら見に来た次第だ」瞳はチラッとネムと呼ばれた先程の少女を見たが、すぐ視線をこちらに戻した。「うーむ、まだ頭がはっきりしないといった風情だのぉ。まあ良いわ、一応紹介だけは済ましてしまおう。ワシの名はフィラー、人はワシを瞳の賢者と呼ぶ」瞳はフィラーと名乗り、また瞳の賢者であると誇らしげに語った。しかし瞳の賢者とはなんとも安直な二つ名であると私は思った。

「してこちらの女性はデュランタ先生、奥の子が先程も言うたがネムだ。キミを看病していたのは主に先生とそこのネムに他の教え子たち数人での、感謝せいよ」

 瞳がそういうとデュランタと呼ばれた女性はニッコリと微笑みお辞儀をした。またネムという少女もちょこんと頭を下げた。浮遊する目玉さえなければ美女と美少女でこれが眼福であることは言うまでもなかった。ただし目玉さえなければ、だが。

「で、キミはうまく喋ることが出来ないようだが人間のようだね。寝ている間に色々調べさせてもらった。声の方はちょっと使ってなくて機能の回復が遅れてるだけだから安心せい、体も同じ感じかのぉキミの名を聞くのを楽しみに待っておるよ」

「…………」

 私は必死に会話を試みた。しかしどんなに頑張っても声が出ない。

 聞きたいことは山ほどあった。ここがどこなのか、お前は何なのか、私はどうしてここにいるのか、そんな疑問が頭を渦巻くうちに、私は重大なことに気がついた。


 私の名前は何か?


 そんな簡単なはずの自問に、ついぞ私は答えることが出来なかった。









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