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役小角  作者: たま
16/19

やり手のヒッキー

春は奇跡的に莉夏と相性が良いのだ。

莉夏がどれだけ悪口や陰口叩かれても反論も言い訳もしないで無視してるのは…

ブスな下々の女なんか相手にしてないからだ。

なんなら取り巻きの男達すら奴隷だと思ってる。

だからプレゼント貰ってもどうしたの?って感じだし、

淫乱とか好き者とか言われても誤解されても痛くも痒くも無いのだ。

有間は生まれた時から莉夏と一緒なので、この女王様気質を良く把握してる。

春だけが、この不遜さが見えない鈍い野生人なのだ。

なんなら莉夏には春は人間ではなく番犬に見えてるのかもしれない。

学生時代から餌付けした番犬を竜星に取られた!と思ってる節がある。


有間とアキラに頼まれて嫌々やり手さんの家へ。

プライドの高い莉夏には屈辱だったが、もしかすると

自分が駒として使われた可能性があると言われると許せない。

「やり手さん」の正体を見極めないといけない。

やり手さんの家は、港区の凄い豪邸だった。

実家に引きこもりと言ってもこれは…

インターホンを押すとお手伝いさんが出た。名を告げるとすぐに玄関が開いた。

と言ってもそこから門までは100mくらいあるが。

小さなアイコンで背中しか見たことなかったが、思ってた以上に若い。

25くらいだろうか?莉夏より10歳くらい年下に見える。

「ヤバいな!これじゃショタになっちゃうな!」有間が笑う。

「はあ〜?あの子が私を罠にハメたって言うの?腹立つ!」莉夏が明らかに怒ってる。

「相手にバレたらお終いだからね!出来るだけ友好にしてね!莉夏さん!」アキラも20なんだが、ゴツい見かけのせいでショタ扱いされない。

走ってくるのは華奢なスンとした顔の少年感漂う青年だ。

「莉夏さんだから、絶対無理かなと思ってました。

身内男性2人を連れてって条件でも。」やり手さんもネットの中だけだが長年莉夏と関わってるので、莉夏の不遜な気質は知っているのだ。

「なんでさあ〜急に会いたくなったの?

そこ引っ掛かるんだけど?」莉夏も中身バレしてる相手なので初対面だがズケズケ聞く。

「ままっ、積もる話は中でしますね。どうぞどうぞ。

莉夏さんの好きなしろたえのチーズケーキ買っときましたよ。」と中に誘導する。

「えっ、ありがとう。好きなんだけど通販してないし数が限られてるから、もう2年も食べてないのよ!嬉しい!」原則株の取引があるので出掛けないし、土日は混んでる。通販しない老舗のチーズケーキは滅多に食べれないのだ。

さすが若くてもやり手さんだ。

軽やかに莉夏は中に入っていった。

「やっぱり春ちゃんの友達なんだよね。なんか行動が似てる…」アキラと有間が呆れながら後をついて行く。


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