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役小角  作者: たま
1/15

竹芝

亡父から「行基とウチのご先祖様は何らかの繋がりがある。仲間だったのかも?」と聞かされてた。

それは行基が遺言で自分の亡骸を焼いて葬ってくれと言った墓のそばに我が家のご先祖様の墓があるからだ。

すでに参る者も消えた古い墓を父と2人で掃除しに行ったことがある。

しかし、ウチの辺りは行基より役小角の前鬼後鬼の伝説の地なのだ。

なぜ、行基はココに墓を作ったのか?

父に、なぜ荒れ果てているのか聞くと「いつの間にか隣村に行基の墓だけ移されたのだ。そちらは観光地化されて行基の墓も建て直されていると。」


ココにある事が不都合なのか?

役小角の伝説の地だから?

少し調べると行基と役小角の生存時期が重なるのに気付いた。

活動内容は酷似してる。ならば2人には師弟関係があったと考えるのが筋なのに、けっして教科書にも歴史書にも無い。

研究した形跡もない。古代史の学者にはご法度があったのでは?

そして、何より墓!

なぜ動かしたのか?役小角の伝説の地である事が原因じゃないか?と仮説しました。

藤原氏と役小角の確執は、全く記録はありません。

しかし、中臣鎌足と不比等親子が、役小角を認識していたのは年代的に確か。

ウチのご先祖様は…行基と共に役小角の師弟だったのではないか?

だから仲間でこの地に墓を作ったのではないか?

師を慕って…とか妄想です、はい¯\(◉‿◉)/¯

春の結婚式にアキラも呼ばれて東京に来た。

「どうした?元気ないな?」有間(ありま)に頭をワシワシされる。

「もう子供じゃないよ!春姉ちゃんが幸せなら、それで良い。」豊洲の結婚式場の外へ出て東京湾を眺める。

生まれは大阪だが育ったのは奈良だし大学は京都だ。

海正しくは東京湾の運河だが、海の開けた景色が見慣れないので珍しい。

レインボーブリッジが遠くに見える。行き交う船の数が半端ない。

そこに古めかしい江戸時代のような客船?屋形船も混じって関西には無い景観を作っている。

「有間と莉夏(りか)さんは2次会だろ?

ホテルはゆりかもめの豊洲市場駅だし自分で戻れるし。

東京見物でもしてくるよ。」アキラは汽笛を聞きながら海を眺める。

「…山背(やませ)は、どうしてる?」有間がアキラでありアキラでない亡くなった従兄弟に聞く。

「アーッ、山背さんは閉じこもってるよ。東京来る前から引き籠もってる。」アキラが苦笑する。

「アイツは昔から面倒くさい男だったからな。

済まないけど、アキラよろしく。」とスゴい年代物の指輪にチェーンをしたネックレスをアキラに渡す。

「春ちゃんから返されたよ。祖母の形見の指輪。

アキラが引き継げ。」アキラもそれは良く見知ってる。

18歳から春が肌身はなさず着けてた。

山背が首吊り自殺する直前に春に手渡した物だ。

やっと春も竜星と結婚した。

山背の呪いから解放されたのだ。

「…分かった。これはオレが背負うよ。」アキラは自分の首に着けた。


アキラはゆりかもめから見える景色が東京湾が物珍しくモノレールから眺めていたが、船が沢山並んでる竹芝駅が気になって降りた。

船乗り場なのか?色んな方面へ行く船があるようだ。

「へーッ、ココから伊豆七島も行けるのかぁ〜」沖縄のような海が楽しめると聞いていたので興味があった。

が、そんな浮かれた気持ちは一瞬で消えた。

アキラがターミナルに入ってから騒がしい。

魑魅魍魎(ちみもうりょう)がギャーギャーとアキラの周りに集まってきた。

「なんで生駒山(いこまやま)邪鬼(じゃき)が、ココにいるんだ?」奈良と大阪の境の山の暗峠(くらがりとうげ)付近にしか今はもう居ない邪鬼がなぜか竹芝の客船ターミナルに沢山居るのだ。

「奈良でももうほとんど絶滅してる。

なんで東京のココにこんなに居るんだ?」ジリジリとアキラの周りににじり寄ってくる。

客も沢山居る。騒ぐ訳にもいかない。

譲り受けたばかりのダイヤの指輪のついたネックレスを握り「おんさばらた」と唱える。

すると一角の邪鬼が消滅する。それを四方に唱える。

ターミナル内の邪鬼は消えた。

「奈良の生駒山でも、もうこんなに大量の邪鬼は居ないのに…なんで、東京に、こんなに居るんだ?」アキラは驚く。




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