人生負け組決定者の老人に絡む女神様。傍観者の老人がオロオロ。女神様は好き勝手。
私はいい歳である。学は残念な事に無い。文才は全く無い。お金には縁がない。それでも家内と2人その日その日を愉しく暮らして来ていた。ある時夢を見ました一回の夢で三年から5年程過ぎて10日間つづきました。夢の話です。一人の少女を養女にしてから私の生活はガラっと変わります。娘がする事なす事全て遊びで私と楽しむ為だけにお金を稼いで行きました。その始まりです。
季節は春 ここは遠州浜松。桜舞い踊る蜆塚遺跡。
私はそこへ足を運んでいた。道路を横断 神社を抜けて•••••••••。
此は夢なんだ。何故か頭の中で理解していた。
しかし見える物全てがカラ-であり 鮮やかな色彩で輝いていた。桜の木々は満開でピンクの綿帽子をかぶっているみたいで何故か心は弾んでいた。桜の園を通りすぎ古民家にたちよった。土間に立ち昔の竈を眺めていた。すると
「お父さん!!お父さん!!さがしたよ!!!」
少女の声が私の耳にも心にも響き慌てて振り向くと古民家の玄関口 一陣の風と共に桜の花びらのカ-テンが開いた。片手にカバン帽子を被り薄手のパ-カ-そしてジ-ンズ。リュックも背負った少女が立っていた。不思議にも見覚えのある顔の少女であった。
「名前は••••? 何て言うの?」
私が聞くと
「チヒロ!お父さんがつけてくれたでしょう。」
「御山(七面山)での約束だったね。」
そう返すと少女はニッコリ微笑むと頷いた。
少女を連れて昔住んでいたアパートへ戻った。
夢の中では若くない私が若い頃住んでいたアパートに住んでいた。
「千尋ごめん!散らかっているから空いてる場所へ座んなさい。」
「お母さんは•••••?」
「仕事!二時過ぎには一旦戻るよ。」
私の返事に納得したのか荷物をおろして帽子をとった。千尋の顔あちら此方に黒ずんだアザが見え
「千尋!その顔••••どうした?」
「わかんない。男の人に触られると火傷みたいに皮膚が爛れるの。腕もこうよ。」
見せる手からたくしあげた腕も黒ずんだアザだらけだった。かわいそうに思いながらソッと千尋の手をとった。私が触っても?と千尋の手の甲を指すって見ると千尋は怖くて目をつぶっていたが痛みがなくすぐに目を開けた。私のさすった処から青い光が千尋の身体全身に走り千尋の身体を包み込んだ。
青い光はすぐに消えたが純白の光が千尋の身体内面から発光するように感じた。あっという間に顔も腕も綺麗な肌に戻っていた。
「千尋!鏡を見てごらん。•••何か•••不思議だね。私に超能力など無いのに…⁉」
「キャッ! 私 別人になってる!」
ニコニコと鏡を眺めていた。
「夏でも長袖の服にしないとね。」
ハイ と返事。しばらく鏡を見ていたが思い出したように「少し部屋かたずけるね。」
私は漫画本とタバコと共にベランダへ追いやられた。千尋に呼ばれ部屋にはいると昼食の準備まで出来ていた。
「ただいま~」
タイミングよく家内がパ-トの昼食時間で戻って来た。千尋とのやり取りを見て私が
「お母さん本当に子供拾ってきちゃった。」
「あなたバかなの!こないだからおかしな事ばかり言っていると思ったら、本当に連れてきてしまって••••私達食べていけないよ。」
「明日にも弁護士先生の所へ相談しに行ってくる。まず食べよう。•••千尋が作ってくれたよ。」
食事しながら家内と千尋は打ち解けていた。家内が仕事に出掛けると
「お父様すぐお金を手にいれるには•••?」
「ん~!オ-トも競艇も来週!パチンコぐらいかな?」
早速バスで出掛けると千尋は私と手を繋ぎニコニコと私を引っ張って歩いた。お店に入ると千尋は音響の大きさに驚いて目をパチクリ!1円台は人が多く4円台の方に足が向いた。
「この台面白そう。」
勧められるままに台に着いた。最初の500円で当たると当たり続け終わって見ると3万発を越えていた。休憩場所へ千尋を迎えに行くと女性店員が笑顔で声をかけてきた。
「お客様少しお話を聞きたいのですが?よろしいでしょうか?」
「ん~?何でしょう?」
「ここでは何ですので、奥の部屋で••••?」
千尋と顔を見合わせて
「コ-ヒ- 出ますか?」と聞いていた。
案内されて事務所横の応接間に通された。
私はトンチンカンな頭で回りを眺めていると部屋に入って来た背広姿の30代位の男性が笑顔で挨拶をしてきた。此のパチンコ店の店長でした。
「今日はたくさん出ましたネ。」
「ハイ!定期預金を少し降ろさせて貰いました。」
「お聞かせ願いたいのですが なぜあの台を選んだのでしょうか?」
「この子があの台の絵が綺麗だからと勧めてくれてネ。」
私の言葉に店長が千尋を見た。そして
「お嬢ちゃん!あの台綺麗でしたか?」
「私ダウジングをやるの。此のお店で一番出るのがあの台だった。だから父に教えたの!駄目だった?」千尋の言葉に店長が
「ダウジング••••?ナニそれ!」
千尋がポケットから水晶玉を出した。その水晶玉にはテングスが付いており
「此で占うの!」
「ハァ~!占いなの?」
「店長さんが出世できるか?占ってあげようか?」
面白半分の店長は
「うん! うん! 占って!」
紙の上の真ん中に出世と書くと左下に出 右下に落と書いた。そしてその下に123と間をおいて書くとその紙の上に水晶玉をぶら下げた。
水晶玉は出と書かれた上でグルグル回った。
「出世します。!」と千尋
そして何年後かな?と水晶玉を数字の上に動かすと全く動かなかった。
「今年中みたいね!良かったね!」
店長の顔がひきつっていた。今日本社への栄転が決まったと連絡が来たところだった。慌てて
「ネ~!ネ~!叔父さん結婚出来るかな?」
千尋は店長の顔を見て笑い
「今 居る女性が運命の女性よ!大事にしてあげて!」店長は千尋の言葉に驚き涙を流した。
店長は私達が何か不正をしているのでは••••と思い声をかけさせて貰ったと言った。しかしお嬢さんの占いに「私は救われました。」と頭を下げた。私は深くは聞かなかった。ただその後他の店員から千尋は引っ張りだこになってしまった。帰りには紙袋にお茶菓子いっぱいと店長からは1万円を入れた茶封筒を渡された。
「千尋!今夜はお母さんを呼んでホテルで美味しい物食べよう!」
家内に連絡をいれると私達はタクシーでホテルへ向かった。ホテルに着くとフロントで手続きをしてキ-を受け取ると「千尋買い物でもするか?」
フロントのあるフロアーには売店が有り色々な物が目についていた。千尋の物を買うと3Fの部屋に入った。この時私を担当したフロントマンが私達を眺めていたのを私はきずかなかった。
部屋はビジネスホテルより少し大きい位。部屋に設置された冷蔵庫より缶ビールを出しテレビをつけツマミを口に運んでいた。千尋はすぐにシャワーを浴びに消えた。そして1缶空けたところで部屋のチャイムが鳴った。家内が来たかとドア開けてみると そこには見知らぬ二人の男が立っていた。
「中央署の者です。中に入っても宜しいですか。?」
警察手帳も出さず命令口調だったので恐くなり即座に「断ります!」瞬時にドアを閉めようとした。
男の一人が足でドアの閉まるのを阻みドカドカと部屋に押し入ってきた。
「偉そうなこと言ってんじゃね-!」
男の罵声が飛んだ。
私は腕を捻られ床に押し倒されながら
「何をするんだ!!放せ!!」
腕の痛みで大声で叫んでいた。
「このエロおやじが!」
「今日は幾ら払うんだ!」
「いい加減にしろ‼ 放せ‼」
この繰り返さしであったが突然身体が楽になった。同時に私に馬乗りになっていた男は壁に飛ばされ凄い音が部屋中に響いた。振り向くと千尋の後ろ回し蹴りがもう一人の男の顔面に食い込んだ。
白のトレーナー姿の千尋を確認すると
「千尋!助かったよ‼」
「お父様!大丈夫!!」
「腕と腰が痛い!! 千尋!新聞社と警察とフロントへ連絡して!!強盗が入ったと!!!!」
開け放されたドアの外では野次馬と走るホテル関係者達。
一番乗りは新聞社の者で調度近所で取材中であった為そちらをほっぽって急いで此方へ来たと笑っていた。二人の男が警察手帳を持っているのを記者たちが発見して教えてくれた。ドアの辺りでオロオロするフロントマンが見えたので記者と別れ頭をペコペコ下げる男のもとへ行くと
「大変申し訳ありませんでした。私はホテル支配人の飯塚と申します。」
話の途中 警察官がゾロゾロ現れ支配人と記者は部屋を追い出されてしまった。
「あなたが天野さんですか?イッタイこれは••••?」「中央署の者と言いましたが手帳を見せないので物盗りと思いドアを閉めようとしたら無理やり押し入ってきて捻り倒されまして••••それを娘が助けてくれたんです。記者さんがアイツら警察手帳を持っているのを教えてくれたんです。これは警官の押込強盗ですよね!!」
私に質問した背広姿の男は困り顔のまま
「私は刑事部長をしております武川と申します。此度は天野さんにご迷惑をお掛けしたようで申し訳ありません。何か行き違いがあったようで•••••。」
私はすかさず
「押し入ってきたので犯罪者ですよね!!アイツら!!」
私は刑事に文句をぶつぶつ言っていたが捻られた腕が痛みだしうずくまってしまった。
「お父様!」
千尋がすぐに駆け寄ってきて右腕を指すってくれた。
「千尋!荷物まとめて!帰る!次は殺される!」
「武川さん!犯人は逮捕してください。後は弁護士先生に頼みますので••••」
フロントへ向かい支払いをしようとした
「冷蔵庫とお風呂使いましたので払います。」
「全て私共の責任です。此度は本当に申し訳ございません!」支配人とフロントマンは一歩2歩下がると深々と頭を下げた。
「支払いはきちんと払いますので計算して下さい。受けとら無いなら多めに置いてきます。これ以上損をさせないで下さい。」
そんな場面で遅れてやってきた家内が
「あんた!また何かやったの!」
すぐに千尋が家内を放してくれた。
支払いを済まし家内の所へ行こうとした時 痛みがぶり返しうずくまり動けなくなってしまった。
「救急車を呼んで!」
千尋が叫んでいた。
結局 千尋との出会いの初日 夕飯は救急病院でのオニギリであった。家内は恐ろしい程の怒り顔であったが千尋は3人で食べれて大喜びであった。
私の養女になったのは七面天女様です。ですから宗教関係者その他の方から苦情が有りそうです。しかしこれは私の夢です。夢の中の事私に責任は無い!無いと思う。老人の夢だけに暖かく見てください。ちなみに七面天女様は本当に美しい女神様でした。




