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セレナ・ラティクスとの対話

「……い、おい……起きろ……!」


「むにゃ……?」


 私は気を失っていると、誰かに声をかけられ目を覚ました。

 するとそこは真っ白な空間で、床も壁も天井すらもない本当に真っ白な場所だった。


 そして起き上がると目の前にもう一人の私がいた!


「やっと起きたか……」


「うえぇぇぇぇぇーーー……っ!?なんで私が目の前にいるの……っ!?」


「それは私のセリフだ!お前は誰だ!なんの目的で私の中にいるっ!?」


 もう一人の私は私の背後へと素早く回り込むと腕を首へと回し、そのまま私の首を締め上げる……!


「や……やめ……!くる……しぃ……!」


 い……息が……息が出来ない……!


 私はセレナの腕を振りほどこうとするも思った以上にセレナの力は強く私の力ではとてもじゃないけど振りほどけない……!


 このままじゃ……!


「言え!お前は何者だ!」


 もう一人の私は首を絞める力を少し緩めると私への尋問を行う。


 最近こんなのばっかりだよぉ……!


「わ……私は瀬玲奈……!」


「セレナは私だ!それになぜお前は私の邪魔をする!」


 セレナ……?


 も……もしかしてこのもう一人の私が本物の「セレナ・ラティクス」……っ!?


「邪魔ってなんのこと……っ!?」


「お前は簡単に敵に捕らえられ、私の隠し持っていた武器まで取られてしまった!お前は私の障害でしかない!お前をここで殺しカイゼルとユリスを殺す……!」


 セレナは再び力を入れると私の首を締め上げる……!


 うわぁぁぁ……!

 く……首が……!く……苦しい……!


 で……でも……そんなことより……!


「セレナ……だめ……!2人を……殺しちゃダメ……!」


「カイゼルとユリスを殺すなだと……?やはりお前もフェルナンデスの手先かっ!?」


「ち……違う……!2人を殺したら……あなたも……殺される……!」


「……どういう事だ?」


 私の言葉にセレナは力を緩めるとようやく息が出来るようになった。


「げほ…!げほ!がほ……っ!そ……そのままの意味だよ……!あなたはクロヴィスに操られている……!クロヴィスはあなたの両親を殺し、あなたの手でカイゼルさんとユリスを殺させその罪をあなたに着せて最後は殺す気なのよ……っ!」


「クロヴィスは父の信頼する家臣で私の育ての親だ!なぜそんなクロヴィスが私の両親を殺さねばならないっ!」


「ほ……本当なの!信じてっ!」


「ならその証拠を見せろっ!仮にそうだとすれば動機は何だ!なぜ両親はクロヴィスに殺されなければならなかったっ!?言え!」


「し……証拠はないけど……、でも本当なの……!」


 それに動機って言われてもなぜか思い出せない。

 確か原作に書いていたような気がするんだけど……なんだったかな……?


「やはり世迷い言か……、お前は口からでまかせを言い私を騙そうとし、さらにはクロヴィスまで愚弄した!お前は許すことは出来ない!このままここで死ね!」


「セレナ……やめて……!」


 セレナは三度私の首を締め上げる……!


 も……もうだめ……、息が……!


「これで邪魔者を排除し、本来の目的を私は実行する!さらばだ……!」


 段々と意識が朦朧としてくる……。


 セレナの声が遠くに聞こえる……。


 そして私の脳裏に走馬灯がよぎり、マンガで見たセレナが殺させる光景が目に浮かぶ……。


「セレナ……だめ……殺され……ちゃう……」


 気がつけば私は涙を流しセレナの腕を濡らしていく……。


 すると、私の首を絞めていた腕の力が抜けていくのを感じた。


「……お前の名は何だ?」


「ゲボ……!ゲホゲホ……!え……?」


「お前の名はなんだと聞いているんだ!」


「わ……私は早乙女 瀬玲奈……」


「……私と同じ名か、これも何かの縁だ。完全にではないがお前の言葉を信じてやる」


「え……?」


「言っておくが全てではない!普段の生活はお前に任せる。そのほうが敵に警戒もされにくいようだ。だが、私の邪魔をするなら容赦なく殺す!それは覚えておけ」


 それだけを言うとセレナはすぅ……と姿を消したのだった……。

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