表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

閻魔の色事

作者: 出雲 寛人

私は閻魔。


まずいことになった。


この地獄に落ちてきた罪人を好きになってしまった。


この罪人は、桃太郎に詐欺をして、桃太郎の財を9割近く持っていったそうだ。


桃太郎も騙されるなんて、情けないと思っていた。


ただ、桃太郎は詐欺をされたなんていう認識は全くないようだ。


しかし、実際にこの罪人が地獄に落ちて目の前に来た時に、桃太郎の気持ちが分かった。


世界中の美を寄せ集めた結晶のような顔立ちをしていた。


危うく、この罪人を天国に送りそうになった。


しかしおかしい。


私のような地獄の世界の住人には恋愛感情は皆無のはず。


これはもしかすると、悪いことが起きる前兆なのかもしれない。


数日後。


私はこの罪人と付き合っていた。


そして結婚を前提に天国にハネムーンに行った。


閻魔には、一度だけ天国に行けるという特権があった。


それを使い、この罪人と行ったのだ。


最初は罪人と一緒にハネムーンなど、どうかしてると思ったが、大丈夫。


私を裁くような存在などいないのだから。


そして天国で私と罪人が歩いていると、目の前から、鬼を見るような形相でこちらを睨みつけてくる人がいた。


桃太郎だ!


そうか、桃太郎は詐欺された後、亡くなり、天国に来たのだ。


「鬼め!人の彼女とデートするとはどういう了見だ!」


そして武器も何も持っていない私は、桃太郎に切られた。


意識がだんだんと闇に落ちていき、完全に気を失った。


目が覚めると私は地獄にいた。


そして、新たな閻魔に罪を告げられ、地獄での生活がスタートした。


地獄での生活が始まって数日後、次は桃太郎が地獄に落ちてきた。


あの綺麗な罪人も一緒に。


そしてあの罪人を賭けた戦いが、始まった。


桃太郎とは色々な勝負をした。


将棋から始まり、ゲームや、剣道も行った。


しかし勝負はなかなかつかなかった。


勝負がつかないどころか、桃太郎と仲良くなっていた。


そうしているうちに、いつの間にか罪人の姿が無くなっていた。


現閻魔の姿も消えていた。


これを機に、私は桃太郎と脱出した。


なんと、現世の鬼ヶ島とこの地獄は繋がっているらしかった。


桃太郎と鬼ヶ島に行った。


-その頃罪人は-


「よーし、上手く行った。私は実は”地獄を壊すウイルス”として作られた。閻魔を恋に落とし、地獄をめちゃくちゃにしてやった。これで今生きている人は安心して、死を迎えられる。死が怖いという理由の一つは、地獄に行く可能性があるからだ。地獄そのものを壊して仕舞えば、その恐怖もなくなる。」


-その後天国では-


地獄が無くなり、無法者たちも天国にくるようになっていた。


そこで、天国の最高司令官は鬼ヶ島にいる閻魔と桃太郎を天国に呼び、無法者たちを好きにはさせなかった。


2人が来てから、天国はすぐに平和になった。


閻魔は天国のの中で、地獄ではなく、自国を作りあげた。


その中で無法者たちを裁くのではなく、更生させることに尽力した。


そして隣には、桃太郎がいた。


閻魔と桃太郎はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ