表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深遠の先へ ~20XX年の終わりと始まり。その娘、傍若無人なり~  作者: 杵築しゅん
大寒波襲来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/110

40 マーヤ・リーデ

 本教会の大聖堂に集まったのは、教会関係者と各学校の学長・副学長、病院の院長・副院長と研究所の副所長、それと私の養父母を入れた総勢200人くらい。

 春とはいえ高地にある本教会の朝はまだ寒い。

 大聖堂の中は空気が澄んでいて、地球の教会や神社と同じように、本当に神がこの場にいらっしゃるような気がする。


 ……確かに霊験あらたかって感じるわね。


 ドイツのケルン大聖堂に似た造りの大聖堂は、入場して直ぐに神話を元にしたと思われる天聖や聖人のステンドグラスが左右に現れ、その美しさとスケールに圧倒される。

 地球のいろいろな宗教が入り混じった感じのマーヤ教だけど、各宗教が喧嘩してないところがいい。


 ……まあ私は日本人で、自然界そのものに宿る八百万の神を信じてきたから、いろんな神がいても抵抗はない。


 ……宇宙の管理者に会った私にとって、今更だよ。でも、私は今でも宇宙の管理者ではない神がいると信じている。



 私は祭壇前の最前列の席に座り、祭壇にマーヤ・リーレス(天聖)が現れるのを待つ。

 広い祭壇上には、中央に天聖・聖人・賢人だけが立つことを許された場所があり、セイントやセントと呼ばれる人たちが座っているのは、祭壇上の左右にある席だ。

 右にセイント(男性)3人、左にセント(女性)が4人座っている。


 祭壇に祭られているのは、太陽神と太陽神を護る6人の神々だ。

 人間と同じ容姿の6人の神々は、マーヤ・リーレス(代弁者)(天聖)、マーヤ・リー(予言者)(聖人)、マーヤ・リーデ(先導者)(聖人)、マーヤ・ルーデ(賢者)(賢人)、上級セイント、上級セントだと思われる。

 太陽神は、それはそれは神々しく全身が金色に光り輝き、人に似た姿をしているが、6人の神々の倍以上の大きさがあり、人ならざる者であると分かる。


 神話では、6人の神々()原初能力を与えたと伝えられている。

 だから現在でも上級セイント・セントには、王であっても礼をとるのが普通だ。

 天聖や聖人や賢人であれば、王も跪き下座に控えるのが当然で、最上級の礼を尽くさねばならない。


 ……まあ普通は、聖人や賢人に会うことはないだろうけど。


 

 そんな6人の神々の像を眺めていると、一般セントが神の話を伝える祭壇下の演台の横から、美しい声が響き始めた。

 この星の教会にも神を讃える歌があるようで、聖歌隊の男女20人が、何処かで聴いたような聴かなかったようなメロディーの讃美歌を、高らかに歌い上げていく。


 ……文化の伝承と思えばアリだよ。うん。

 ……いきなりゴスペルだったらビックリだけど、普通のハレルヤな感じ。


 歌が終わると、祭壇下の見るからに特別な扉が開き、真っ白な生地にマーヤ教のシンボルを金糸で刺繡した神服を着たマーヤ・リーレスのソワレお婆ちゃんが、静々と祭壇の最上部に向かって歩いていく。

 参列者全員が一斉に立ち上がり、跪いてから頭を下げる。

 私もそれらしく振る舞って、同じように跪きソワレお婆ちゃんの言葉を待つ。




 天聖として神に感謝の祈りを捧げたソワレお婆ちゃんは、皆の礼を解き任命式を始めていく。


「私は10年前、新たに聖人を授けるという神のお言葉を聞きました。

 予言者であるマーヤ・リーと、先導者であるマーヤ・リーデを授けるので、神に仕える者たちは、命に代えても尊い聖人を探し出せと厳命されました。


 懸命に2人の聖人を探していた私に、神は新たなお言葉を下されました。

 先ずはマーヤ・リーデの任命をし、2年後にマーヤ・リーの任命をせよと。

 そのお言葉の意味を、私は2年後に皆様にお伝えすることになるでしょう。

 先導者であるマーヤ・リーデは前へ」


 ……ん? マーヤ・リーデって誰?

 ……えっ、私?


 私はキョロキョロ辺りを見回すけど、他にそれらしき人物が居ない現実に混乱する。

 祭壇上のセイント・ロードスが、私に向かって貴女ですマシロさまって感じの視線を送ってきたので、困惑しながらも壇上に上がっていく。


「マーヤ・リーデであるマシロ・オリエンテに、聖人ホワイトの神名を与える」


 ソワレお婆ちゃんは、にこにこ微笑みながら私に新しい名を授けた。


 ……やられた! そういえば昨日、既に多くの教えで原初能力を進化させているマシロさんだもの、役割が増えても大丈夫よねって言ってた。


「・・・ありがとうございます。神名ホワイトの名に恥じぬよう、先導者として時代をリードし、多くの民を救うための教えを広げていきたいと思います」


「期待しているわ。神より授けられし頭脳と深い慈愛で、新たな文化と産業を発展させるため、原初能力研究所の所長となり、多くの研究者や学生を導きなさい」


 ……なんてことなの! 私の自由が・・・自由がなくなるじゃない!


 ……でも、好きにやったらいいのよって言ってた気もする。

 ……う~ん、好きにかぁ・・・ 


 まあいい。負担を押し付けられたと思うか、チャンスを与えられたと思うかで、未来は違ってくる。

 だったら、プラス思考で考えた方が得よね。

 使えるものは、研究所だろうが高等大学だろうが、医学学校だろうが、使えばいいってことじゃない?  


「その任、有難くお受けいたします。新たな技術や能力を活用し、この大陸の経済を発展させ、困難に挑戦し続ける精神を教え導くと誓います」


 ……フハハハ、堂々と稼ぐぞ! 使える人員はいっぱい居るもんね。



 最後に聖人の神服を渡され、2年の間に全ての国を訪問するミッションを与えられた。

 フッフッフ、各国の経済状況は商業連合から情報が入る。学生や研究員から自国の様子も訊けるから、事前調査は抜かりなくやってやるわ!


 よ~し、気持ちを切り替え、ホワイティ商会の商会長に戻って、ブラック固形燃料をガンガン作るわよ!  

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

次話から新章スタートします。

ブックマーク、応援ポイントをポチってしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ