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深遠の先へ ~20XX年の終わりと始まり。その娘、傍若無人なり~  作者: 杵築しゅん
聖地からの使い

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24 お宝発見(3)

 夕食後は、4台の馬車に分かれて寝る。

 4人乗りの小型馬車は、シートをずらすと2人が寝られるベッドになり、まるで日本の豪華列車のような設えで、シート下には寝具や収納スペースまで完備されていた。テーブルだって搭載してある。

 本来この土地を購入しに来るのは、王族がメインだから豪華なのも頷ける。


 寝る時は、私とアステカが小型馬車を使う。12歳になったら子供ではなく少女扱いになるから、女性の護衛が教会からやって来るらしい。

 同じ設えの馬車は、お爺ちゃん先生とセイント・ルビネスが使うみたい。

 うちの団員3人と護衛4人は、幌馬車2台を使って寝る。ちゃんと寝具も用意してあり、教会の厚意に感謝だ。

 

 

 寝る前に、明日のお宝探しの場所を特定するため、自慢のメッセージカードを取り出し占っておく。

 同じ馬車の中に居るアステカは、私がカードを使って占うことを知っているし、セイント・ルビネスや本教会にも報告していると思う。

 占い中は畏れ多いと言って、アステカは絶対に私やカードを見ない。

 


 翌朝、朝食を食べながら今日の予定を皆に告げる。


「これから2日間、【原初能力】持ちのメンフィスとギザは、私とアステカに同行し、指示した場所を掘ってもらいます。

 先生とサッカラは、あそこに見える丘に登り、買った土地の特徴をよく見て地図を作成してください。

 セイント・ルビネスは、薬草調査をされるそうなので別行動となります」


 私は買った土地の中央に見える丘を指さしながら、皆に指示を出していく。

 教会の護衛2人は、私に同行してくれることになっている。

 1人はヒューイさんという名で、アステカの先輩らしく、剣の腕は勿論のこと、【原初能力 聖 食】持ちで、護衛のついでに食用植物の採取をしてくれる。


 商団立ち上げの時に雇ったメンフィス28歳とギザ26歳は、予想通り【原初能力 土】持ちだった。当人たちも驚いたけど、鑑定してくれたセイント・ルビネスも驚いていた。

 この2人はオリエンテ商会の末端一族で、遠い親戚だから名前もオリエンテじゃなかった。


 もう1人のサッカラ19歳は、騎士志望だったから剣の腕も良く、特技が製図だったので採用した。母様も褒めるくらいに絵も巧い。

 準貴族だった父親が3年前に亡くなり、上位学校には進学できなかった。

 準貴族は爵位を継承できないので、サッカラは平民だ。


 うちの商団の面接に来た時、弟妹を中位学校に通わせるため頑張って働きたいとサッカラは言った。私はその心意気が気に入った。

 弟は16歳で妹は14歳だ。現在中位学校に在学している。うちの商団は、上位学校卒の騎士より給料がいいんだよね。

 まあ騎士として活躍し、騎士爵を貰うことはできないけど。


 今年から私は【ホワイティ商団奨学金制度】を、シュメル中位学校に創設した。

 卒業後にうちの商団に就職し2年以上働けば、以後の返済は免除される。

 制度を利用できるのは、学年5位以内の成績優秀な平民だけで、サッカラの妹は首位を独走しており、うちの商団に就職するのが夢らしい。


 ……優秀な人材を確保するのは、経営者として重要事項だもんね。

 



 樹海の木は地球の寒冷地に多い針葉樹に似ていて、高さはおよそ10メートルから15メートルくらいある。

 買った土地は長方形で、道路側の3キロを横と考えたら、山頂へと奥に向かう6キロが縦だ。6キロ行ってもタラト火山の1合目の範囲内かな・・・


 ……う~ん、登山口までの距離が遠すぎる。しかも、なんか狼っぽい遠吠えが聞こえる気がするんだけど。


「まさか魔獣?」


「マシロ様、この辺りに生息している大型動物は主にタラト狼です。こちらが攻撃しない限り人を襲うことはありません。食料となる小動物も多いですから」


 教会の護衛ヒューイさんが、不安そうな私に気付き教えてくれる。

 はは、魔獣なんて居ないって知ってたけど、私の妄想は生きる糧だから。



 歩き始めて3時間、既に足は痛いし息が上がる。

 富士の樹海ほど歩き難いってことはないけど、遊歩道がある訳じゃない。

 こんな時に、空間移動で自分と他の人を運べたらいいのにと、つい弱音を吐きたくなる。でも、間違って大河の中とか火口の中に転移したらアウト。


「お宝お宝どこですか~、私の声が聞こえたら~、ピカリと光って教えてね~」って、よく分からない歌を口ずさみながら進む。

 皆の肩が微妙に揺れて、笑いを堪えているのが分かるけど気にしない。

 歌ってないと根性が挫けそうなのよ!

 


 で、メッセージカードが示していた場所に近付いた時、何故か本当に地面がピカピカ光っていた。噓~ン、マジで?


「わー、本当に光ってる!」って声を上げたら、「どこですか?」って皆が訊くから、「ほら、ここよここ!」って指をさして教える。

 教えたんだけど、何故か皆にはピカピカが見えていないらしい。何故に?

 何で?どうして?って首を捻っていたら、教会関係者が私に向かって跪き「さすがマシロさまです」と打ち震えながら拝み始めた。


 ……ギャーッ、私ったら、ますます宇宙人ぽくなってる!


 ホホホと意味もなく誤魔化し、折角だからメンフィスとギザに、【原初能力 土】を使って地面を掘ってもらう。

 

 ……なんか真っ黒い石みたいなものがゴロゴロ出た。


 出てきたのは、石炭に似てるけど輝きとか形状は全く違う物体。

 そして、ピカピカ光っている場所以外からは掘っても出てこない。


 ……う~ん、丸みのある拳大から頭大の大きさかぁ・・・


 ……とりあえず、燃やしてみよっかな。

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

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