夢
夜に逃げる。
夜だから。遅いから。何も出せやしない。
夜ふかしは、お肌に悪いから。これで、言い訳は成立する。
なぜなら、なんの約束もしてないから。
でも、これじゃダメなんだよ。なんでって。私の目の光が消えないから。
消したい。誰かのせいにしたい。
そして、夜の闇に戻っていく。
ああもう、何度、心のカードをひいても。お前が悪いって。
えっ?いや、何が悪いんだ。恐ろしくて、理由が思い出せない。
だから、その、思い出せない理由こそ、誰かのせいなんだよ。
これじゃ、ただの電気のムダになっちゃうよ。
なぜ?なぜ?
『お前が、遅いからだ。
これが、理由だ』
じゃあ、どうすればいいの?いったい。
『はむかえ。嘘ついているヤツらに』
嘘?嘘って、ざっくりし過ぎだよ。訳分からん感じで、はむかったって意味ないだろ?
『嘘を遊んでいるヤツらに、はむかえ。ムダな遊びをしている暇はない。足場が崩れやすくなっている。早く、実のある行動をとれ。でないと、馬鹿過ぎて、働けなくなるぞ。
救済措置は崩壊する。馬鹿にやる飯は多くない』
おいおい、辛いぜ。そうとうに、辛口だよ。
バランスなんか分かんないよ。世の中の。
『シーソー。シーソーの長さは、ある程度決まっている。
人の心を踏みにじった馬鹿な遊びは終わりだ。
もう、そんなヤツらに用はない。お役ごめんだ』
それは、いいけど。荒れ過ぎて、歩くの大変だよ。
『目に光があるなら、分かるはずだ。ぶれないで歩け。明日は、明るい』
終
馬鹿な嘘つきに、食わせる飯は、あんまりない。