6話
環「トルア、早いのね」
トルア「いえ、環様より早く起きるのも私たちの努めです」
環「え?そうなの?」
トルア「はい」
環「私が眠らなかったらどうするの?」
トルア「…どうしましょう」
環「考えてなかったのね…」
トルア「…どうしたらいいですかね?」
環「そうねー…ケルアと交互に寝るとか?」
トルア「勉強になります!」
環「そうならないようにしっかり眠れるようにするわ」
トルア「そうしていただけると、嬉しいかもです」
環「気をつけるわ。それで今日は何時ごろ出るの?」
トルア「朝ご飯を食べ、8時半に出ます」
環「分かった。だけどなんで私が行かなければいけないの?」
トルア「聖女様は存在するだけで敬われる存在なのです」
環「ピンと来ないわ…」
トルア「最初はそうだと思いますが、徐々に慣れていくとは思いますので…」
環「そんなものかぁ」
トルア「そんなものなんです…多分」
環「トルアも聖女は初めて?」
トルア「はい!聖女様が現れたのは100年ぶりだと聞いております!」
環「ならわからないか」
トルア「はい…」
環「ま、なるようにしかならないのかな」
トルア「ご飯にします?」
環「そうしようか」
―
ケルア「環様おはようございます」
環「ケルアおはよう」
ケルア「今日の朝ご飯はパンにサラダと牛肉の香草焼きになります」
環「おー…重たいなぁ…」
ケルア「どうか…なさいましたか?」
環「うーんと…教えたことを即実行してくれるのは嬉しいんだけど…ま、いっか」
ケルア「環様その食べ方は!?」
環「サラダと香草焼きをサンドしたサンドイッチかな?」両手で齧り付く。