5話
環「今日はこれくらいかな」
トルア「ありがとうございます!」
環「そういえばケルアが見えないけど」
トルア「大丈夫です。他の仕事をしているので、思考も共有できてます」
環「本当便利よね」
トルア「それほどでも」
環「それじゃ今日は寝ようかな」
トルア「かしこまりました」
―
環「ふわぁー…なんか慣れるの早すぎる気がするけど…」
まだ来て一日も経っていないのにこの慣れようは異常なのかもしれない。もしくはトルア、ケルアがいるおかげで寂しく
無いのかもしれない。
環「でもやっぱり少し寂しいかも…」
布団を頭まで被る。
何だか人の目が無くなったと思うと不思議と涙が出てくる。
生まれてから色々あった。
―
トルア「お疲れ様です」
ケルア「これくらいなんてこともない」
トルア「敵ですか…」
ケルア「誰だって万人に好かれるわけではない」
トルア「勝手に呼び出されたのに命を狙われるなど…」
ケルア「そのための私たちだ」
トルア「そうですね…私たちも休みましょう」
ケルア「そうだな…明日からはおそらく不眠不休だ」
トルア「慣れています。それよりその血生臭さをどうにかしてきてください」
ケルア「そうだな…」
―
環「いつの間にか眠っていたのかな…」
外はぼんやり光が差している。
ベッドから降り、カーテンを開け、窓を開く。
環「涼しい風…」
時間は5時くらいだろうか。太陽の光を浴びると少し心も温まる。
昨日の悲しさはどこかに溶け込んだのか、清々しい気持ちである。
扉を叩く音が聞こえる。
トルア「環様おはようございます」