21話
「間違いないな」
「ええ、この女が聖女で間違いありません」
「これで俺らも大金持ち…ですね」
「ああ…これで俺らも…」
ゴトっと音を立てる。
「お…親分?」
顔に温かい液体がかかる。暗い部屋に充満する鉄臭い…
「これは…血…」
世界が逆さまになる。
自分の体が見えている。
その後ろに一人。鬼の形相をした人間らしき者が二人…。
『万死』
意識が遠のいていく…。
―
環「あれ…もう戻ってきた?」
ケルア「隠れん坊中に眠ってしまうとは…なんとも」
トルア「お疲れだったのでしょう。致し方ありません」
環「あれ?着替えさせられてる?」
ケルア「汚れていたので」
トルア「もちろん私が」
環「その辺は気にしてないけど…おかしいなぁ…なんか変なものを嗅がされた気が…」
ケルア「気のせいでしょう」
環「ま、いっか」
トルア「それじゃ帰りましょうか」
環「もうそんな時間か…」
ケルア「先におかえりください。私は少し買い出しをしてから行きますので」
環「何買いにいくの?」
ケルア「お野菜を少しですね。先ほどの物を再現しようと」
環「それじゃ楽しみに待っているね」
―
「聖女捕獲失敗か…」
「全く…これだから下等な物どもは…」
ケルア「そうですか…あなたたちが黒幕ですか…」
「だ…誰だ!」
「あ…黒の…」
ケルア「大切な方をお待たせしているので時間をかけていられません」




