2話
「それではお着替えも済んだようですので、専属を入れますじゃ」
扉が開き、老婆の代わりに一男一女が入ってくる。
「専属執事のケルアです」
「専属侍女のトルアです」
環「え?似ているけど、兄妹?」
ケルア「えぇ、私が兄の…」
トルア「えぇ、私が姉の…」
環「え?」
ケルア「いや…私がですね…」
トルア「いや…私がですね…」
環「あぁ、双子ってことね。どっちでもいいんじゃない?血繋がってるなら仲良くしなよ」
ケルア&トルア「失礼しました」
環「合い過ぎてもう芸みたいになってるよ」思わず失笑してしまう。
ケルア「笑っていただき、ありがとうございます」
トルア「聖女様のお顔が優れなく見えなかったので」
環「あ、気にしてくれたんだ。それにしても良く合うね」
ケルア「二人のスキルは意思疎通。大抵のことは考えていることがわかります」
トルア「もちろん、仕事中だけですので自分の時間は大丈夫です」
環「へぇ…面白そう」
ケルア「面白そう。と言うより便利。でしょうか」
トルア「そうですね、仕事のし忘れがない為大変重宝されます」
環「そんな二人が私に着いちゃっていいの?」
ケルア「聖女様はそれだけ大切なお方。と言うことです」
トルア「悪く言えば二人で一人前と言うことです」
ケルア「それは…」
環「そういうこと」
ケルア「はぁ…そういうことにしておきましょう」
トルア「それでは本日のご予定をお知らせいたします」
環「予定?仕事的な?」
ケルア「本日降臨なされた身に公務は辛いと思われます」
トルア「本日はこの後昼食をとっていただき、周りを見て回ってもらいたいと思います」
環「わかったわ、それじゃ行きましょ」
ケルア「それではご案内致します」
トルア「お足元にお気をつけて」
環「ありがと」
ケルア&トルア「精一杯お供させていただきます」