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布団から出れねぇ

「最近、朝さ布団から出れねぇんだけど」


角のとがったデビルの少女が言った。


「もう、布団で暮らすしかないわね」


耳のとがったエルフの少女が言った。


港町の喫茶店に二人の姿はあった。


「そう行くかい? そういう話の流れで行くのかい」


「斬新やね」


「斬新なだけじゃん。膨らましようがないんだけど」


「そうね。私だったらあれね、あの……駄目だ出てこない」


「早速! 早速、話題に詰まってるよ」


「駄目だ駄目。話題がよくないわよ」


「いや、お前の分岐が異質過ぎたからだろ。どうやって布団から出るか、とかでいいじゃん」


「ああ、それいいわ。あんた天才ね」


「だろ? ……じゃなくて、布団の話だ。お前だったらどうするよ?」


「どうもこうも、私は布団で寝ないわよ」


「は? 何で寝てんの?」


「ハンモック」


「ハンモック!? お前ん家、ハンモックあんの?」


「あったらいいよね」


「ねぇじゃん。願望じゃん。なんなのこの人」


「まあ、いわゆる天才だな」


「そうだな。一周回って天才だな」


「というか、出られないなら最初から入らなければいいんじゃないの?」


「でも布団ないと、腹が冷えるだろ」


「じゃあ、事前に腹を冷やしてから寝れば」


「いや、体調壊したらどうするんだよ」


「体調壊してから寝れ……」


「ストップ。このままでは最終的には命を断ってから寝ろといわれそうだ」


「これが本当の永眠、と」


「お後がよろしく……あるわけないだろ!」


二人は喫茶店をあとにした。

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