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雲を見たいな

「なんか、無性に雲が見たいな」


角のとがったデビルの少女が言った。


「ついに天国を目指し始めたか。いってらー」


耳のとがったエルフの少女が言った。


港町の喫茶店に二人の姿はあった。


「おいおい、止めなさいな。アタシに死ねと?」


「そうです」


「敬語を使っても暴言はごまかせんぞ。ふざけるな」


「ふざけてんのはどっちよ。雲見たいって言われてなんて返せばいいのよ?」


「そこは。一緒に見よう、だろ」


「よし。地獄を見せてやる」


「タンマタンマ。今のは調子こいた」


「それだけ調子こければ、当分は死なないわよ。フッ」


「ほくそ笑むな。なにその、小粋なジョーク言いました感? 腹立つな」


「まあまあ、雲でも見て落ち着きなさいな」


「むかつくぅ。うまいこと話をもどしやがってからに……まあ、一理あるな」


「一理どころじゃねぇだろ!!」


「急に怖すぎだろ……お前も大概、落ち着けや」


「そうね。とりあえず店を出ましょうか」


「そうだな」


「と、見せかけて……パフェひとつくださーい!」


「出ねぇのかよ! ……なんなのこの人」


「人じゃなくてエルフです」


「なんなのこのエルフ」


「ご丁寧にどうも。まあ、雲見るよりも飯食った方が落ち着くわよ」


「誰のせいでカリカリしてると思ってるんだ……まあ、もういいや、アタシもパフェ頼も」


「あら? いいの?」


「何が?」


「あんたのおごりだけど」


「よし。やっぱ表に出ろ」


二人は喫茶店をあとにした。

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