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転んじゃってさ

「いてぇーっ、さっきそこで転んじゃってさ」


角のとがったデビルの少女が言った。


「ま、人生も転んでるんですけどね。チャンチャン」


耳のとがったエルフの少女が言った。


港町の喫茶店に二人の姿はあった。


「終わった!? もう終わっちゃったの?」


「何が? 人生が?」


「違う違う! 人生から離れろ!」


「現実逃避すんなよ!」


「そういう意味ではなくてよ。あーもう、痛いんだよ膝が、ちっとは労ってくれ」


「じゃあ3千ゴールド」


「守銭奴オブ守銭奴!!」


「世の中カネなんだよぉおおお!!!」


「何? 主人公の捨て身の一撃? 台詞内容が最低だけど」


「まあ、その代わりに私の人格が最高だからチャラ」


「いや、人格もクソだろ」


「クソクソ言うなよ! 食事中だぞ!」


「急! 急にモラル重視!」


「モラルがない奴とはつきあえん」


「そりゃごもっとも。今までありがとう」


「これからもよろしく」


「どっちだよ! 突き放したいんじゃねぇのかよ!」


「そ、そんなわけ! ……な、ないじゃない」


「はい。ツンデレ・デイリーミッションクリア」


「やったー、報酬は」


「あ? じゃあ、三日前のメロンパン」


「ふざけんな。せめてアップルパイだろ」


「ええ……アップルパイだったら腐ってても食うのかよ」


「腐ってもエルフだからね」


「エルフの概念とは?」


「まあ、いいじゃないの。そんな些細なこと、あんたのケガに比べりゃどうってことないわよ」


「そ、そうか……いや、誰が重症だよ! 全然労ってねぇ!」


二人は喫茶店をあとにした。

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