表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/158

視力がね

「最近どうも見にくくてさ」


角のとがったデビルの少女が言った。


「自分の容姿が?」


耳のとがったエルフの少女が言った。


港町の喫茶店に二人の姿はあった。


「いや、そっちの醜いじゃなくてさ」


「うん」


「ん? ってひどくないか。今の発言」


「すごい時間差。気づくの遅いわよ」


「まったくだ。危うく聞き逃すところであったわ」


「聞き逃した方が幸せだったかもね」


「それもまったくだ。知らぬが仏。不都合なことは知らぬままホトケになりたいものだ」


「うーん、流石にちょっと言いすぎたわ。謝罪するわね」


「そうか。では、1000ゴールドで手を打とう」


「守銭奴が。前言撤回よ、あんたは心も醜いわ」


「当然だ。アタシをなんだと思っているのだ?」


「暇人」


「っー……今のすげぇな、たった二文字なのにかなり効いたよ」


「え? ホントに暇人なの?」


「カマかけおったな、この女狐めが」


「狐? まあ、確かに耳はそれっぽいわね」


「何の話だ。というかこんな暇人に付き合うようなお前も、立派な暇人だろ」


「そうよ」


「ぬぬ、鋼メンタルめ」


「鉄は打たれれば打たれるほどに強くなるのよ」


「このマゾヒストが。お前のような奴は鉄粉に帰しても平然としてそうだな」


「誉め言葉として受け取っておくわ。で、何の話だったかしら?」


「醜い。否、見にくいという話だ。最近どうも視力が落ちたようでな」


「メガネ買えば」


「ああ……まあそうだな」


二人は喫茶店をあとにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ