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ウォーキングをさ

「最近、ウォーキング始めてさ」


角のとがったデビルの少女が言った。


「ちんたら歩いてんじゃねぇよ!」


耳のとがったエルフの少女が言った。


港町の喫茶店に二人の姿はあった。


「どうしました? すげー高圧的だけど」


「それはいつものことだろ」


「自分で言うのかよ」


「いやさ、今日細道を横に広がって歩いてる連中がいてさ」


「ほう。そいつは頂けないね」


「だろ? だから私はカチンと来て思いきって言ってやったのよ」


「あらま。なんと?」


「ちんたら歩いてんじゃねぇよ! ……とね」


「へー勇気あるね」


「まあね。心の中でだけど」


「うん、だと思った。お前はアリよりも小さい心の持ち主だからな」


「アリをバカにすんじゃねぇよ!」


「今日は輪をかけて高圧的だな。なんだよ?」


「アリはお前、あれじゃん。キリギリスより有能だろ?」


「いやわからねぇぞ? キリギリスにも色々な奴がいるからな。アリ以上に備蓄してるやつもいるかも知れん」


「お前は何? 昆虫? 足元の世界の住人か?」


「う、うるせぇな。話をズラすな」


「お前もお前でノるなよ」


「そりゃごもっとも。じゃなくてウォーキングだよ、始めたの」


「知るかよ。勝手にしてくれ」


「つめてぇな……もっとこう、掘り下げんとしようぜ」


「しょうがないわね。どこ歩いてんの? あの港のそばの林道とか?」


「すげぇなお前。なんで、そんなピンポイントで当てられるんだよ」


「当たりなのかよ。まあ、別になんも嬉しくないけど」


「じゃあ景品でもやるか?」


「え? 何よ?」


「アタシと一緒にウォーキングできる券」


「ありがとう。さっそく鼻をかむのに使わせて頂くわ」


「ふざけんな!」


二人は喫茶店をあとにした。

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