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眠そうだな
「どうした？ めっちゃ眠そうじゃん」
角のとがったデビルの少女が言った。
「いやさ、昨日遅くまで彫刻やっててさ」
耳のとがったエルフの少女が言った。
港町の喫茶店に二人の姿はあった。
「……」
「でさ……なによ？」
「あっ、ごめん。お前にしてはすげー普通な返しだったからさ」
「なによそれ？ まるで私がいつもは、アブノーマルな発言しているかのような言い方ね」
「いや、してるでしょ。ちょ、もう一回やっていい？」
「ふざけんなよお前……いいわよ、やろ」
「いいのかよ。じゃ行くぞ」
「うい」
「どうした？ めっちゃ眠そうじゃん」
「……昨日、じゃがいも……あっ、違うな」
「え？ どうしたどうした？」
「いや、ごめん！ やっぱやめるわ、何かこれは違う気がするから」
「そうなのか？ ……まあ、こういう日もあるか」
「いや、ない。そんな日は存在しない。ワンモアチャンスプリーズ」
「やるの？ いや、いいけど」
「頼む」
「えーと……どうした？ めっちゃ眠そうじゃん」
「……いや、昨日遅くまで、じゃがいもしてたからさ」
「混ざった！ 融合したよ、さっきのやつと！」
「ああもう！ ダメだダメだ！ 意識しちゃうと、ダメだ、出てこないわ」
「おう……なんか悪かったな。余計なこと言っちゃって」
「いや、ちょっとあんた……」
「……今日は先、帰るわ」
「っ！ 帰るとこなんて土しかねぇのにかぁ？」
「……」
「……」
「……出来たじゃん」
「……へへ」
二人は喫茶店をあとにした。
