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虫に刺されてさ

「参ったわぁ。刺されたよ虫に」


角のとがったデビルの少女が言った。


「ザコ」


耳のとがったエルフの少女が言った。


港町の喫茶店に二人の姿はあった。


「……今日、もう帰っていいかな?」


「いいんじゃない? 二人分のコーヒー代払ったら」


「何でだよ! お前の払う義理ないだろ」


「いや、虫に負けた戒めとして」


「意味が分からないわぁ。しょうがないだろ、デビルだって虫にくらい刺されるよ」


「デビルも歩けば?」


「え? 歩けば……かゆい?」


「は?」


「いやわかんねぇよ! 急にオリジナルことわざを生み出そうとするな!」


「まさにデビルも木から落ちる、ね」


「まず木に登らないだろ、デビルは」


「そうね。木に登ることすらできないからね」


「むかつくわぁ。全デビル代表として聞き捨てならんな」


「いいわよ。捨てといて、その辺に」


「ポイ捨てやめろ! もっと拾えよゴミも、アタシのトークも」


「分かったわよ。で、虫に刺されてどうしたのよ?」


「え? いや、終わりだけど」


「そういところよ! 拾った先に何もないのよ!」


「見返りを求めるでないわ! もっと聞くことあるだろ? どこを刺されたとかさ」


「いや、鼻でしょ。めっちゃ赤くなってるもん」


「違う、耳だよ。鼻はかみすぎただけです」


「……それは知らん」


二人は喫茶店をあとにした。

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