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推理小説さ

「こないだ借りた推理小説さ、まだ途中だけど面白いな」


角のとがったデビルの少女が言った。


「ああ、犯人が喫茶店のマスターのやつだっけ?」


耳のとがったエルフの少女が言った。


港町の喫茶店に二人の姿はあった。


「……」


「……」


「……聞いちゃった、犯人」


「言っちゃったね、つい。てへっ」


「いやいや、そんなんじゃ許されないでしょ。重罪だよ重罪」


「そうね。よくて斬首ね」


「最低ラインが斬首ってどんだけだよ。いやまあ、確かにこの罪は重いけどさ」


「まあ聞いちゃったもんはしょうがないわよ。切り替えてけ」


「軽っ! こっちは立ち直れそうにないよ。楽しみ一個ぶっ潰されたんだぞ」


「逆に考えるのよ。犯人と分かった上でマスターの立ち回りを楽しむのよ」


「はあ。お前にしては一理ある意見だな」


「あるわけねーだろ!」


「なんでキレた? 普通にいい線行ってるアドバイスだと思うけど」


「誉めてもなんも出ないわよ。アメ以外」


「アメは出るのかよ。くれよ」


「今、私が舐めてるやつでよければ」


「きたねぇ! いらんわそんなん!」


「間接キッス……キャッ!」


「そんなメルヘンなもんじゃねぇだろ。まあ、犯人分かった上で読むのはそれはそれでオツかもな」


「そうよ。まあ、本当の犯人はマスターの妻だけどね」


「おい! だから言うなよ!」


二人は喫茶店をあとにした。

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