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絵に目覚めてさ

「最近、絵をよく描いててさ」


角のとがったデビルの少女が言った。


「風刺画? 程ほどにね」


耳のとがったエルフの少女が言った。


港町の喫茶店に二人の姿はあった。


「うん、違うね。そんなパンチの効いた奴は私には無理だね」


「自分の限界を自分で決めるんじゃないわよ。そう言えば、この前のオーク学会の不正選挙さ」


「やめろやめろ! 風刺画で話を進めた挙げ句に、話題をそっちに切り替えるな」


「あらまあ、小心者ね。流石、鶏肉」


「鶏肉? ……ああ、チキンってことか」


「じゃあ、チキンナゲット頼みましょう」


「なんで? まあ、小腹空いたしいいけど」


「ソースは?」


「バーベキューで」


「ああ違う、証拠の方のソース。描いた絵見せて」


「間際らしいフリすんなや! あと、何だ証拠って言い方は。疑ってんのか?」


「あんたの口から放たれる言葉は一言一句、疑っているわよ」


「ひでぇな。あたしは前世で詐欺師でもしてたのか? まあ、別に見せてやるよ。あとで家寄れや」


「めんどくせぇ。今、ここでこの私のスケジュール張に描けや」


「くっそ無茶振り! マジで? ちょ、待って何描きゃいい?」


「リアルよりの猫の顔」


「あーっ……絶妙だなー。えーと」


「……」


「……」


「……はい、描けた。どうよ?」


「……」


「おい」


「……めっちゃ反応に困るレベルの……下手さ」


「う、うるせぇ」


二人は喫茶店をあとにした。

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