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遊園地行こうぜ

「じゃーん。この二枚のチケット、何だと思う?」


角のとがったデビルの少女が言った。


「地獄への片道キップ」


耳のとがったエルフの少女が言った。


港町の喫茶店に二人の姿はあった。


「んー、どうした? 何か、殺伐とした時代が舞台の本でも読んだのか?」


「テメーにくれてやるよ、この「地獄への片道キップ」をな」


「めっちゃ、影響されてるじゃん。何それ? 主人公の決め台詞とか?」


「いや、最序盤で蹴散らされるザコキャラの台詞」


「ダセぇ! そいつダサすぎだろ。そんな大層な台詞吐いて退場すんのかよ」


「いや、そのあとに仲間になるから」


「マジかよ……まあ、戦力にならずともコメディー枠には収まれそうだが」


「いやいや、舐めちゃいけないわよ。そいつの修行編あるから」


「明らかに作者が気に入っちゃってんじゃん! 大丈夫かよその作品?」


「いやもう、後戻りできない酷さよ」


「何でそんなの読んでんだよ?」


「いやいや、その酷さが愛おしいのよ。不完全ゆえの美しさ的な」


「まあ、そういう人種がいるのはなんとなく承知してはいたが、アタシはどうも共感できんな」


「共感は別にしなくてもいいけど、それよりチケットの話忘れてない?」


「あ、ホントだ。もう、お前との会話はいつもこうだな」


「そうね。様式美ね」


「そんな綺麗なもんではないだろ。と、そうだこのチケットだよ。こいつは地獄行きのキップなんかじゃねぇよ」


「どうせ遊園地でしょ」


「どうせって言うなよ。いや、遊園地なのは当たってるけどさ」


「まあいいわよ、一緒に行ってあげても」


「ホントか!」


「ええ、あんたのペットとね」


「そっちかよ!」


二人は喫茶店をあとにした。

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