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買い物上手にさ
「買い物上手になりたいな」
角のとがったデビルの少女が言った。
「貝者乗図？」
耳のとがったエルフの少女が言った。
港町の喫茶店に二人の姿はあった。
「どういう聞き間違い？ 暴走族的ボキャブラリーが感じられるんだが」
「恋は暴走機関車ね」
「全然意味わからん。買い物上手といったんだ」
「そうね。これからの時代、必要なことと思うわ」
「うわっ！ まともな返し気持ち悪い」
「いじめカッコ悪いみたいな感じね」
「貶されたのにノーダメージ。こいつ無敵か？」
「無敵の人ね」
「意味合いが違ってくるだろ。やめろ」
「失う物のない奴の力を……力を見せてやる！」
「不穏すぎる。かっこよくないよ」
「無敵カッコ悪いね」
「それには同意だわ」
「でも無敵って響きはカッコいいわね」
「そうかぁ？ フィクションの見すぎだろ」
「多感な時期なのよ」
「ちょっと前だろそれ。今もならイタすぎるだろ」
「マジで？」
「ああ。私はもうそういう子どもっぽいのは受け付けないな」
「子どもみたいな中身しといてなに言ってるんだか」
「子どもじゃねーよ」
「証拠は？ 地球が何回うんたらかんたら」
「うぜー。証拠はあれだよ……食べ物の好き嫌いないとか」
「人の好き嫌いは」
「ある」
「お前デビルだろ」
「ノルマクリア。つか買い物上手の話しは？」
二人は喫茶店を後にした。
