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ハイブリッドだな

「やっぱ、これからの時代はハイブリッドだな」

角のとがったデビルの少女が言った。

「ウホウホ」

耳のとがったエルフの少女が言った。

港町の喫茶店に二人の姿はあった。

「……いやーもう分からないね。なぜ返しがゴリラ？」

「いや意味不明なフリだったから、意味不明な返しで対抗してみた」

「意味不明をもって意味不明を制すか。新しいね」

「でしょー。まさに意味不明のハイブリッド」

「むりやり合わせてきた。ありがたいけど」

「どうも。で、ハイブリッドが何ですって？」

「いやなんか、ハイブリッドって言ってみたくてね」

「そう」

「いやごめん嘘。なんかこれからの時代を生き抜くためには、2つの要素を重ね合わせるのが必要じゃないかと思ってね」

「例えばそうね。コーヒーと牛乳でコーヒー牛乳みたいな」

「なんでお前が例え始めるのだ。しかもコーヒー牛乳て。例え下手すぎだろ」

「コーヒー牛乳嫌いだっけ？」

「いや、好きだね」

「じゃあハイブリッドの効果出てるじゃん」

「はー、そう言われればそうかも」

「ほかにもカレーとうどんでカレーうどんとか」

「食べ物ばっか。ほかのジャンルでないのかい？」

「そうねぇ……エルフとデビル」

「おおっ！」

「合わせてエルデ……えーと……エビ」

「台無し」

二人は喫茶店をあとにした。