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かき氷食いてぇ
「無性にかき氷が食いたいな」
角のとがったデビルの少女が言った。
「ドライアイスならあるけど」
耳のとがったエルフの少女が言った。
港町の喫茶店に二人の姿はあった。
「あるけど何？ 食えと申すか？」
「死ぬ気か？」
「お前の提案だろ。ふざけんな」
「デビルならワンチャンいけそうじゃない？」
「ノーチャンだよ。デビルをなんだと思ってる」
「対ドライアイス種族」
「メタがピンポイントすぎる。なんだそいつらは？ ドライアイス食ってんのか？」
「ぶっ飛んでる連中ね」
「飛びすぎだろ。大気圏だって目じゃないわ」
「大気圏で燃え尽きてしまえ」
「ふざけんな。対大気圏種族だぞ」
「たいたいたいたいうるさいわね」
「お前だろ。たい焼きか？」
「つまんねぇ。ドライアイスより冷えたわ」
「うまいこと言ってんじゃねぇぞ」
「ありがとう」
「素直に喜ぶな」
「喜びの舞い」
「踊るな踊るな。恥ずかしいだろ」
「今日はノってるわね。ブレイクダンスでもしようかしら」
「店内でブレイクするな。お前の尊厳がブレイクされるぞ」
「大丈夫。とっくに壊れてるから」
「何も大丈夫じゃない。よく生きていけるな」
「私、対尊厳種族だから」
「もうわけわからん。何に対してメタをはってるんだ」
二人は喫茶店をあとにした。
