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料理スキルをさ
「料理スキルとか上げてみたいな」
角のとがったデビルの少女が言った。
「いらないでしょ。とりあえず丸焼きにしとけばオーケーよ」
耳のとがったエルフの少女が言った。
港町の喫茶店に二人の姿はあった。
「いつの文明の者だお前は。太古が過ぎるだろ」
「原点にして頂点。火を通せば解決よ」
「料理と言ってるんだ。頼むからもう少し同じ文明に立ってくれ」
「分かったわよ。鉄人と言われた私に任せてちょうだい」
「なんの鉄人だ。ジャンルを言えよジャンルを」
「ドーナツ」
「ドーナツの鉄人？ 聞いたことねーな。得意料理はなんだよ？」
「ドーナツ飯」
「ひどいな。ドーナツと米を一緒に食わすとか拷問か何かか」
「いや、チャーハンをドーナツ型に盛ったやつよ」
「ドーナツ入ってないじゃん。見た目だけじゃん」
「料理は見た目も重要でしょ」
「まあドーナツ型なのは新鮮かも知れんな。味はどうなんだよ？」
「メイプルシロップましましよ」
「寄せて来た甘さに寄せて来た、ドーナツに寄せて来た。どっちつかずだな」
「ドーナツ要素とチャーハン要素を同時に楽しめるでしょ」
「いやもうチャーハン要素ないだろ。二兎追って何も得られてない感じなんだが」
「大丈夫。ドーナツはウサギと違って逃げないから」
「２ドーナツを得る。デブまっしぐらだな」
二人は喫茶店をあとにした。
