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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
統一

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拠点

私(村上義清)「(山内上杉)憲政が沼田(城)で粘っているだろう。」


 沼田城は利根川と薄根川の合流地点北東の河岸段丘の上に築かれた上野北部の城。70mもの崖による防御力もさることながら……。


私(村上義清)「ここを誰が持つかによって、(長尾)景虎のこれからが左右されることにもなる。」


 沼田城のある今の群馬県沼田市にはJR上越線を始め、国道17号線。更には上越自動車道が通る交通の要衝。その行き先の全てが……。


私(村上義清)「越後と関東を結んでおる。」

真田幸隆「ここを死守することが出来ましたら、景虎は誰に邪魔されることも無く関東に入ることが出来る一方、ここを奪われてしまいましたら上越国境に北条の罠が仕掛けられることになります。」

私(村上義清)「一応俺のところ(信濃北部)を通って関東に入ることも出来ないわけではないが、言うても他人の土地を通るのに加え。」


 西上野の長野業正は今、北条の傘下にある。


私(村上義清)「上信国境も塞がれていることになる。加えて景虎が就任した関東管領は甲斐も管轄する立場。その景虎が北条を倒すためとは言え、大軍で(北条と同盟関係にある武田領)すぐ近くの小諸を通過するのは得策では無いであろう。無事上野に入ることが出来たとしてもそこに待ち受けているのが長野業正。仮に業正が『協力します。』と言って来ても憲政は許さないであろうし。」

真田幸隆「『それならなんで平井城の時あんな行動をしたんだ。』と言ったところでしょうか。そうなってしまいますと景虎は北条と相対する前に相当の労力を消費することになってしまいます。」

私(村上義清)「その状況に追い込むためにも北条は沼田を手に入れる必要がある。景虎はそうならないようにするためにも沼田が落ちないよう支援する必要がある。」

真田幸隆「ただ景虎には関東を攻め入るための大義名分がありません。それを手に入れるために上洛し、北条氏康が傘下に収める関東公方に対抗することの出来る関東管領。幕府公認の地位を手に入れることが出来ました。さあ憲政の救援に堂々と自分の兵を使うことが出来るようになりました。と……。」

私(村上義清)「ところで沼田の戦況でわかることはあるか。」

真田幸隆「正直に申しますと苦しいを通り過ぎているかと。既に上野北部の勢力にも北条の手が及んでおり、憲政を支えようと思っているものはほぼ居ない状況となっています。仮にこのまま沼田城に籠ったとしても干上がってしまうのは時間の問題。……それで。でありますか。」

私(村上義清)「ここにこれが届いていると言うことは当然……。」

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