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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
統一

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さすがの

真田幸隆「ん!!これはなんですか!?」

私(村上義清)「見てわからないか。種子島だろ。」

真田幸隆「いえ。それは存じ上げております。存じ上げておりますが……。」

私(村上義清)「さすがのお前も驚いているであろう。」

真田幸隆「大丈夫ですか。こんなに購入してしまって……。どこにそんなカネがあるんですか。」

私(村上義清)「勿論借入はしていないぞ。うちはいつもにこにこ現金一括払いで決済しておる。それに別に隠す必要もないであろうから……。」


 帳簿を見せる。 


真田幸隆「粉飾していませんよね。」

私(村上義清)「俺が誰かに税金を納めているわけでは無いのだから、お前らみたいに田を隠すような真似をする必要も無いであろう。」

真田幸隆「確かに。」

私(村上義清)「持っているのか?」

真田幸隆「そこに手をつけましたら……。」

私(村上義清)「全員が離反することぐらい俺もわかっておる。」

真田幸隆「(改めて帳簿を読み返しながら)ところで殿。」

私(村上義清)「なにかあるか。」

真田幸隆「今回の種子島と玉薬の購入費用……。安くないですか?」

私(村上義清)「そうだろう。」

真田幸隆「不良品つかまされてませんよね?」

私(村上義清)「抜き取りで幾つか試してみたが、問題は無かった。」

真田幸隆「……でもどうやってこんなにも大量に。」

私(村上義清)「いや前(長尾)景虎に会った時、『京へ上るついでに(種子島を)買い付けに行きますが如何なされますか?まとめて買いますと安くなりますが。』と聞かれてな……。それなら頼むとお願いしておいたのだ。」

真田幸隆「……と言うことは。」

私(村上義清)「こことは比べ物にならない数の種子島と玉薬が越後に届けられている。と言うことになる。」

真田幸隆「はぁ……。」


 あまりにも異なる国力差にため息を漏らす真田幸隆。


真田幸隆「越後がそれだけの銃火器と弾を購入したと言うことは……。」

私(村上義清)「景虎が関東進出に本腰を入れているのがわかるだろ。」

真田幸隆「(景虎が)信濃守に就任しなくて良かったですね。」

私(村上義清)「一瞬で以て蹂躙されてしまうぞ……。」

真田幸隆「……しかし……。」

私(村上義清)「どうしたのだ。」

真田幸隆「まだ長尾景虎が越後に戻っていないにもかかわらず、種子島だけが運ばれて来た……。別に本人と一緒の船団に組み込んでも問題無いはず。彼が居て初めて遠征が出来るのでありますから。」

私(村上義清)「そのことだったら……。」

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