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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
統一

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棒道

 流血沙汰は極力避けたい。ただそれだけでは例え包囲されたしても、敵を降伏させることは出来ない。じりじりとした時間が流れ始めたその時。北から2頭の早馬が。1頭は村上方真田幸隆の旗印。そしてもう1頭には見たことがない旗が……。徐々にこちらへと駆け寄り到着。


「井上清政が我が方に下りました!!」

の一言。歓声をあげたのは勿論我が村上の軍勢。一方、何が起こったのか状況を掴むことが出来ていない井上勢。

「これは虚報かもしれぬ。」

と疑うも2頭来た内の1頭には見覚えのある顔が。そして……。

「直ちに武器を棄て降伏せよ。」

の命令が。


 少し前。

私(村上義清)「……またお前は俺の蔵からカネを奪い取ろうとするのか……。」

真田幸隆「これは北信濃を攻めるにあたり必要不可欠のものであります。」


 真田幸隆が提案したもの。それは……。


私(村上義清)「まっすぐの道を整備したいのか……。」


 馬2頭が並んで走ることが出来る幅を確保した一本道。


私(村上義清)「……しかし防御の事を考えるとむしろ危険なのでは無いのか。」

真田幸隆「確かに。敵に利用される恐れはございます。ただ我が軍の強みの1つが馬であります。馬の速さを最大限に活かすには道は極力真っ直ぐに。それも複数の馬が同時に動くことが出来なければなりません。」

私(村上義清)「井上領にも?」

真田幸隆「井上は今。虎綱の動向に注視しています。そして我が方と井上はまだ仲違いをしているわけではありませぬ。『なにか奇妙なことをやっているな。』と思わせている隙に……。」


 村上井上両領の境目に井上が集中している隙を衝き、井上領の中心を襲ったのが真田幸隆。瞬く間に制圧し、井上清政を下すのに成功したのでありました。武器を棄てたことを確認した村上義清は包囲を解き、井上の本拠地へ向かうのでありました。そして……。


私(村上義清)「ん!!何があったのだ!?」


 一面の焼け野原。たしかここには井上清政の屋敷など町が形成されていたはず……。


真田幸隆「我らの火計が悉く嵌りまして、こちらの被害は全くございませんでした。」


 正しくは爆破。


私(村上義清)「……でここはこのあと……。」

真田幸隆「全て殿のものにございます。」

私(村上義清)「……んん。そう……。それは嬉しいのだけど……。」

真田幸隆「どうなされました。」

私(村上義清)「ここにまた人が集まることが出来るようにするのは……。」

真田幸隆「勿論殿の思うがまま。」

私(村上義清)「費用は……。」

真田幸隆「殿の思うがままでございます。」

私(村上義清)「……わかった……。」

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