表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
亀裂

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

640/653

歓待

春日虎綱「気賀の民の要請によるものと見て間違いありません。義信は今、刑部に居ます。川を渡ると気賀であります。気賀の北には山が迫り、南は海。行軍は縦長にならざるを得ず、敵の攻めに対応するには難しい。そのため義信としては是が非でも押さえたい場所であります。恐らくでありますが気賀の攻撃を考えていたものと思われます。」

私(村上義清)「それに対し気賀の民は?」

春日虎綱「大歓迎でありました。やはり堀川城の出来事が影響しているものと思われます。」


 徳川家康が気賀西方の堀川城の戦いに関与した気賀の民と当地を治めていた臨済宗を亡き者にした一件。


春日虎綱「気賀の民の対応を見て義信は気賀の攻略を中止。その気賀の民の要望。堀川城攻めに加わった井伊谷への恨みを晴らすべく義信は兵を進めたものと思われます。」

私(村上義清)「(井伊谷と気賀は)行き来をしていたはずだが……。」

春日虎綱「気賀は徳川の地。そこで生きていくためにはそうするしかありませんので。」

私(村上義清)「……だよな。それを踏まえて備えをしていた?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「気賀の者は普段から井伊谷を行き来している。それもあって……。」

春日虎綱「全く無防備な状況を装う必要がありました。」

私(村上義清)「もし予算があったら?」

春日虎綱「いえ。これ見よがしに要塞化するような真似はしません。そんな事をすれば義信が全軍を率いて乱入する羽目に遭いますので。義信にとって井伊谷は、家康の先のいくさ同様。『やったよ。』を演出すれば良いだけでありますので。敢えて難易度を上げる真似はしません。」

私(村上義清)「北条の水軍は気賀に入ったか?」

春日虎綱「いえ。その形跡は見られません。」

私(村上義清)「北条の水軍は動いていない?」

春日虎綱「あくまでお手伝いでありますので、独り突出して三河や尾張に進む事は無いでしょう。加えて今回、北条は遠江に三河。そして尾張伊勢にある港の権益獲得を条件に参戦しています。海では北条が有利でありますので、港を攻略する事自体難しい事ではありません。ありませんが港は富の集積する所。敵から狙われる場所にあります。当然港は陸と繋がっています。しかし今回北条は陸戦部隊を投入していません。陸の戦いを担うのは武田のみであります。その武田が獲得し、安全となった場所で無ければ北条は部隊を動かす事はありません。武田は浜名湖の北を進む事になります。浜名湖南一帯は徳川の影響下にあります。そのため北条の水軍が浜名湖に入る事はありません。彼らはもっと先。三河へ向かう手筈を整えているものと思われます。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ