表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
亀裂

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

638/653

惨敗

 物見から連絡が入る。その内容は……。


春日虎綱「『武田方完勝。家康の行方。未だわからず。』でありますか……。」

私(村上義清)「引き続き情報収集を頼み。」

春日虎綱「わかりました。」


 しばらくして……。


春日虎綱「やはり家康は、義信が高地から坂を下る時を狙った模様であります。しかしその動きは義信に見抜かれていました。高台で待ち伏せ。そこに徳川方が到着しました。」

私(村上義清)「家康にとっては想定外の出来事?」

春日虎綱「はい。それもありまして家康は追い打ちを止め。義信と距離を取った上、遠くから石を投げる事により相手を挑発したそうであります。目的はいくさをした姿を見せるためであります。それに義信も応戦。投げられる石の量は次第に増し。加勢する者も増え。その結果、家康が望んでいない大きな衝突に発展してしまったとの事であります。

 数で勝るのは武田方。態勢を整えていたのも武田方でありましたので勝利を収めたのも当然武田方でありました。

 しかもいくさが始まったのは申の刻(午後3時から5時)。日の入りが早いこの時期であります。辺りが暗くなる中、劣勢に陥った徳川方は瓦解。」

私(村上義清)「迫り来る闇夜の恐怖を坂の上から武田方に与えようと追い掛けたのが仇になってしまった?」

春日虎綱「そう見て間違い無いかと。」

私(村上義清)「家康はどうなった?」

春日虎綱「いくさとなったあちらこちらで数え切れない家康が討ち死にを遂げた模様であります。」

私(村上義清)「と言う事は?」

春日虎綱「はい。家康の家臣が身代わりを買って出たのでありましょう。」

私(村上義清)「実際の所はどうなんだ?」

春日虎綱「その夜。武田方が襲われた情報が入っています。もしこれが真実でありましたら恐らく家康は無事浜松城に戻る事が出来たと見て間違いありません。」

私(村上義清)「義信はどうしている?」

春日虎綱「家康の消息を確認している模様であります。亡くなっている。もしくは生きていても戦意が無いのであれば、拠点を確保すべく浜松城に向け兵を進めるものと思われます。ただ昨夜の夜襲の情報が正しかったのであれば、浜松接収には向かわず。家康の動きに注視しつつ、兵を西へ進ませるものと思われます。」

私(村上義清)「家康はどう評価されるかな?」

春日虎綱「浜松城の家臣は申し訳ない気持ちでいっぱいでありましょう。信長は負けはしましたが、家康が戦った事に納得するでしょう。あとはこれから義信が侵入して来る浜名湖沿岸と三河の国衆がどう動くか?に掛かっています。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ