表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
亀裂

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

637/653

一方

私(村上義清)「義信はどう考えている?」

春日虎綱「このまま家康が見逃してくれるのが最善でありますが、そうは考えていないでしょう。」

私(村上義清)「義信は家康との衝突を覚悟している?」

春日虎綱「元々城攻めを想定しての侵入でありますし、天竜川西岸は敵地であります。しかも現状は浜松と三河との間で挟み撃ちに遭っているのと同じ状況にありますので。ただ義信も家康と同様兵の損耗は望んでいません。尤も家康とは異なる理由でありますが。」

私(村上義清)「しかし家康はやって来る?」

春日虎綱「はい。しかも家康は戦わなければならない立場にあります。来ないに越した事はありませんが、家康は攻め寄せて来ます。そのため義信は何処かで家康といくさをする事を念頭に置いて移動しているものと思われます。そして刃を交える時、不利な状況に陥らないよう対応するものと思われます。」

私(村上義清)「そうなると家康も動くに動けない?」

春日虎綱「ですので義信は敢えて家康に隙を見せる事になると思います。(地図を開き)ここは家康有利な場所であります。ここでありましたら家康が義信に打撃を加える事が出来ます。勝てる勝てないは別にしまして。そして義信がここへ向かっている事を隠さずに動くと思います。家康に知られるように。」

私(村上義清)「しかし義信は兵の損耗を恐れているのだろ?」

春日虎綱「はい。ですので義信は(地図で別の場所を指し示しながら)ここに陣を構えるものと思われます。ここは浜松からは見えません。あとは……。」


 騙し合い。


春日虎綱「どちらの諜報網が勝利を収めるかになります。」

私(村上義清)「もしここで両者が遭遇したらどうなる?」

春日虎綱「地の利についてはほぼ同等。兵の数は義信に分があります。しかしここは遠江。義信にとって敵地でありますし、その後のいくさの事もあります。故に義信はここで家康を殲滅するのではなく安全策を講じるものと思われます。」

私(村上義清)「どのような?」

春日虎綱「全員が塊となる魚鱗を採用するものと思われます。」

私(村上義清)「一方の家康は?」

春日虎綱「どのような形で遭遇するかに掛かっています。ただ家康としてはいくさをしたくはありません。ありませんので武田に対し、兵の数を多く見せ掛ける必要があります。そうなりますと現実問題出来ませんが、武田軍の包囲殲滅を目指す鶴翼を採用するものと思われます。」

私(村上義清)「安全策対見せ掛けがぶつかった場合……。」

春日虎綱「少なくとも家康はぶつからないように距離を取ります。ただそれを見た義信はどう出るか……。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ