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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
亀裂

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荷止め

春日虎綱「義信は『発注を出しても注文を受け付けてくれない。』とこぼしていました。」

私(村上義清)「払いが悪いからでは無いのか?」

春日虎綱「穴掘れば金が湧き出る国ですよ。」

私(村上義清)「その割に民から税を搾り取ってはいないか?」

春日虎綱「稲作を成り立たせるための治水に苦労しているんです。あそこは……。」

私(村上義清)「それだけが目的ではないだろ?」

春日虎綱「まぁ……。」

私(村上義清)「費用が嵩むがどうしても手に入れたい。しかし売り手側が義信を警戒している?」

春日虎綱「はい。武田義信が求めているもの。それは玉薬であります。武田は馬を用いたいくさを得意としていますが、だからと言いまして種子島を軽視しているわけではありません。殿とのいくさの後、家臣に対し種子島の保有を義務付けるなど兵制を改めています。」

私(村上義清)「(武田と)北条とのいくさを直で見ていた幸隆も言っていた。『うちの種子島を用いた先制攻撃が通じないかもしれません。』と。」

春日虎綱「確かに。聞く所によりますと、武田は種子島に対しては種子島。弓矢に対しては弓矢。長槍に対しては長槍。そして騎馬隊に対しては騎馬隊をそれぞれぶつける事により、相手の攻撃を相殺させているとか……。

 しかしこの戦術を成立させるためには種子島を機能させる玉薬が必要となります。その玉薬は甲斐の国で産出されるわけではありません。玉薬のある場所に買い付けなければなりません。その買い付け先が堺であります。今武田義信は、堺から玉薬を購入する事が出来ず困っています。」

私(村上義清)「うちとのいくさ以来と言う事は?」

春日虎綱「はい。長い間、武田と堺の間は良好な関係にありました。」

私(村上義清)「その関係が崩れたのは?」

春日虎綱「ここ2、3年の事だそうであります。」

私(村上義清)「原因は?」

春日虎綱「恐らくでありますが、信長による堺の直轄地化では無いかと。」

私(村上義清)「信長は義信を脅威と感じている?」

春日虎綱「脅威と感じているか定かではありませんが、義信は信長と敵対している本願寺と深い関係にあります。加えて将軍様からの『信長を倒せ!』の檄が届いている可能性が濃厚でありますし、信長と同盟関係にある徳川家康と相争っています。」

私(村上義清)「一時の金儲けのために、相手を利するような真似はしたくない?」

春日虎綱「そう見て間違い無いかと。」

私(村上義清)「それに対しお前はどうしようと考えている?」

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