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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
焼討

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焼討

 延暦寺のある比叡山で山火事が発生。原因は付け火。犯人は織田信長。


私(村上義清)「今の状況を教えてくれ。」

春日虎綱「はい。信長は今回、比叡山の壊滅を目標に定め近江に入りました。当初は北近江。そこから南近江の一向宗と着実に歩を進めて行く姿を見た比叡山は、自身に危険が及んでいる事を察知。信長に対し、延暦寺から300枚。堅田から200枚の黄金を供出。信長に贈る事により攻撃の回避を模索したのでありましたが信長は拒絶。」

私(村上義清)「攻め込まれてから降伏を願い出た一向宗への対応とは真逆だな……。」

春日虎綱「はい。信長の侵攻を避ける事が出来ない事を悟った延暦寺は、攻撃対象と想定された坂本の僧。並びに周辺住民を安全な比叡山に避難させ、完了しました。町が破壊する事は仕方が無い。と……。しかしこれが今回仇となってしまいました。何故なら信長の目標は坂本や堅田だけでなく、比叡山延暦寺そのものであったからであります。

 坂本、堅田への放火を合図に織田信長は全軍に対し、比叡山への侵攻を命じました。」

私(村上義清)「しかし比叡山そのものが要害の地である事に加え、数万規模の兵を抱えるだけの規模を持っているはずだが……。」

春日虎綱「まさか信長の兵が山を登って来るとは思っていなかったのでしょう。加えて火は上に向かって行きます。山には木が生い茂っています。麓には信長の兵が埋め尽くしています。逃げ場は上にしかありません。上へ逃げれば逃げる程、逃げ場は狭くなります。たとえ比叡山が要害であったとしても、僧兵が健在であったとしても攻撃を防ぐ事は出来なかったかと思われます。

 更に信長は今回。家臣に対し、坂本に堅田並びに比叡山に居る者全てを亡き者にするよう指示を出しています。小川城や金が森とは異なり、降伏は認めませんでした。」

私(村上義清)「そこまで徹底した理由は?」

春日虎綱「恐らくでありますが、延暦寺の持つ影響力では無いかと。比叡山の主は天皇様の弟であられますように、有力者の子弟が数多く延暦寺に入っています。もし彼らが信長による焼討から逃れ、将軍様や朝廷。更には各地の勢力と結びついた場合、信長にとって厄介な存在となる事が目に見えています。現に延暦寺の座主覚恕様は当日、京に居たため無事であります。」

私(村上義清)「信長にとっては誤算?」

春日虎綱「今はわかりません。ただ禍根を残す事になったのは確かであります。」

私(村上義清)「しかし信長は何故あそこまで比叡山を攻めたのであろうか?」

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