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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
焼討

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602/653

本来の

 志村城を落とした織田信長は、兵を休める事無く六角方であり一向宗方でもある城の攻略を続けるのでありました。


私(村上義清)「完膚なきまでに落城させたのだろ?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「箕輪城みたいに。」

春日虎綱「現場を確認しては居ませんが。」

私(村上義清)「幸隆も困っていたぞ。」

春日虎綱「輝虎の名代を続けるのは大変ですね。」

私(村上義清)「本当は戻したくなかったと言っておった。」

春日虎綱「今必要なのは殿では無く、内政実務に長けた深志に居る旧小笠原の家臣でありましょう。」

私(村上義清)「そう言われればそうだな……。」

春日虎綱「真田様に使いを出しましょう。」


 程なくして返事有り。

「可能な限り幅広い分野の方々をお願いします。」


私(村上義清)「『虎綱の助言で。』と付記しておいた。」

春日虎綱「ありがとうございます。その後の動きでありますが。」

私(村上義清)「教えてくれ。」

春日虎綱「はい。信長が次に攻略を命じたのは小川城でありました。」

私(村上義清)「『ありました。』と言う事は?」

春日虎綱「はい。既に織田方の手に落ちています。ただこちらにつきましては落城では無く、開城。それも即座でありました。」

私(村上義清)「城方の者共は?」

春日虎綱「そこは信長の良い所であり、御人好しの所でもあります。」


 城主の小川祐忠は助命されたばかりでなく、所領も安堵。引き続き小川城を任される事になりました。


春日虎綱「信長の動きは留まる事を知りません。」


 織田信長は常楽寺に移動すると同時に南近江の一向宗の拠点。金が森の攻略を指示するのでありました。


春日虎綱「本願寺としましてもここを落とされるわけにはいきませんので、石山から派遣するなど梃入れを図ったのでありましたが……。」

私(村上義清)「強い弱いは別にして信長の兵数に志村での惨劇並びに、即座に頭を垂れた小川に対する厚遇。援軍を期待出来る状況にも無い。だからと言って、金が森は経済の要地。

『降参します。』

では済まないと思うのだが……。」

春日虎綱「その件でありますが、織田金が森双方が人質交換する事により和睦が成立しています。」

私(村上義清)「彼らが持つ権益は?」

春日虎綱「そのままであります。」

私(村上義清)「何故?」

春日虎綱「信長が近江に入った本来の目的が、南近江の一向宗だけでは無い事がわかりました。畿内の紛争に対処するためでもありません。もう直、報せが届く事と思われます。」

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