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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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もう二度と

 諏訪湖東部上原城前。


「開門!!」

「ん!?どうしたのだ?」

外からの声に反応する宿直。

「殿が戻られた!開門である!!」

「あぁ……うちのものたちだな。」

外に居る人物が上原城から村上攻めに向かったものであることを確認。

「珍しいな……。殿がなんの使いも無しに戻って来るのは……。」

「今開ける!しばし待たれよ!!」

急ぎ城内に不備が無いか。見回りに出る宿直。

「言いつけを守っていないと、後で何を言われるかわからないからな……。」

しばらくして

「今開けるぞ!!」

と上原城の門が開いたその時……。

「ん!?」


 突如として城内に兵が乱入。

「これはなんだ!?」

と思う間もなく宿直の胸に槍が突き刺さるや否や。

「真田幸隆見参なり!!」

の大音声。未だ眠りから覚め切っていない城内は大混乱に陥り、真田の兵に為す術もなく倒れ伏す上原の城兵たち。かつて板垣信方の家臣をしていた真田幸隆。その板垣が守っていたのがこの上原城。城のことを熟知している幸隆の采配により瞬く間に上原城を席巻。制圧するのでありました。


 同じころ。上原城の支城桑原城でも同様の戦略が嵌り奪取に成功した真田幸隆。上諏訪領の拠点の確保に成功するのでありました。


 しばし時を戻して尼ヶ淵。捕らえられたもの。降伏したものの中から知己の諏訪衆を見つけた真田幸隆。

「ひとつ頼みがあるのでありますが。」

と、諏訪衆の上司である板垣信方が亡くなったこと。加えて武田晴信も同様のことになるであろうこと。そうなった場合、今は武田のもと落ち着きを取り戻している諏訪湖周辺が権力の空白地帯となる。南部の高遠。西部の藤沢。北部の金刺が上諏訪を狙って来ることは必定。その時、武田がどのように反応するのか不明。このままでは上諏訪は蹂躙されることになる。後ろ盾になるものが必要ではないか?そこでひとつ協力をお願い出来ないものかと……。

 上原桑原両城の様子を確認した幸隆は、諏訪衆に道案内を要請。両城の奪取へと繋げた幸隆。


真田幸隆「これで武田の目を諏訪に向けることが出来る。我が本拠が狙われることも無くなる。今回は武田が相手故仕方なく町もろとも破壊する乱暴な戦略を使ってしまったが……もう二度と。……あそこをいくさの場にはしない。尼ヶ淵を町ごと要塞化する必要はあるが、さすがにお金が追いつかない。まずやるべきことは……復興させること。その予算を確保するためにも……今はいくさをするべき時ではない。そのためにも……奴らが動くかどうか……。」

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