表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/653

まだ

「敵はあそこだ!!一斉に掛かれ!!!」

の声がこだまするや否や投げ込まれたのは大量の炎。その投げ入れた人物。それは……。矢沢頼綱。尼ヶ淵の守りを担当していた彼がやって来た。と言うことは……。


私(村上義清)「(……助かった。)」


 投げ込まれた場所は勿論武田兵の居るところ。ただ水のある場所に火でありますので正直効果のほどは?と思われたその瞬間。


私(村上義清)「えっ!!」


 武田兵の居るところから耳をつんざくような爆音が轟くのでありました。


矢沢頼綱「殿!!お待たせしました。」

私(村上義清)「お疲れ!!ところで甘利は。」

矢沢頼綱「消息はわかりませぬが、もはや(尼ヶ淵で)抵抗するものはおりませぬ。」

私(村上義清)「ところでさ。」

矢沢頼綱「なんでしょうか。」

私(村上義清)「普通に火でも良かったような……。」

矢沢頼綱「兄(真田幸隆)より『年度内に使い切れ。』と言われました故。」


 ここは一昔前の地方公共団体では無い。もっと言うならば購入費用は国からの助成金でもない。


矢沢頼綱「迷惑でしたか。」

私(村上義清)「いや。本当に助かった。」

矢沢頼綱「ところで殿。」

私(村上義清)「どうした。」

矢沢頼綱「兄から『これを。』と……。」


 矢沢頼綱による横からの攻撃に足が止まる武田兵。そこに……。


「放て!!」


 最初の攻撃のあと、沈黙を守っていた種子島の兵が一斉に蜂起。真正面。しかも至近距離から放たれた銃撃により倒れ伏す武田兵。


「弾をまだ持っていたのか。」

の驚きと、先制攻撃を浴びた時の恐怖が蘇った武田兵は、とうとう算を乱し逃亡を図るも背後は増水した千曲川。側面から矢沢頼綱隊によるなんだかわからぬ火攻め。そこへ……。


「決着をつける時は今ぞ!!!」

と突撃を指示する村上義清。


私(村上義清)「(あとは晴信の消息をつかむだけなのだが……。)」


 大量の火と水が武田の被害状況を把握する障害に……。


私(村上義清)「ところで。」

矢沢頼綱「なんでしょうか。」

私(村上義清)「幸隆はどうしておる。」

矢沢頼綱「『もう1つ仕事が残っている。』と申しておりました。」

私(村上義清)「……そうか。」

矢沢頼綱「あと『お願いの儀滞りなく。』とも申しておりました。」

私(村上義清)「手配は出来ておる。あとは先方次第である。」


 その頃……。


真田幸隆「ここをやらなければ、我が領内の安全を確保することは出来ぬ……。この機会を逃すわけにはいかぬ。兵は疲れておるが、幸いにして損害は少ない。……今しかない。」 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ