表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
同盟崩壊

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

558/653

注意しなければいけないのが

私(村上義清)「うちにとって注意しなければならないのは……。」

春日虎綱「はい。武田と北条の関係が修復した場合であります。ただこれにも分岐が幾つかあります。1つは武田と北条が和睦し、武田がうちとの縁を切った場合であります。」

私(村上義清)「北条は奪われた鉢形の攻略を目指すと同時に武田も諏訪や尼ヶ淵。更には余地峠を通って上野を狙う。うちとしたら厳しいいくさになるな。」

春日虎綱「はい。真田様は恐らくこの事態を想定し、上野の実質直轄化を願い出たと思われます。」

私(村上義清)「四郎の上野派遣を要請したのも?」

春日虎綱「時間がありませんので。」

私(村上義清)「急ぐ理由は?」

春日虎綱「氏康の余命を見ていると思われます。」

私(村上義清)「芳しくない?」

春日虎綱「駿河における氏政の活動が停止している理由もそれでは無いかと……。」

私(村上義清)「今の境を維持する事に専心するしかない?」

春日虎綱「駿河に関しては。であります。」

私(村上義清)「武蔵はそうでは無い。」

春日虎綱「愚問であります。加えて義信と氏政は元々昵懇の仲にあります。落としどころ。妥協する事は可能であります。ただだからと言いまして、それが即うちとの手切れには繋がらないと思います。理由は義信の目は西を向いているからであります。」

私(村上義清)「義信の駿河侵攻の切っ掛けは将軍の要望であり、本願寺の要請があるからな。」

春日虎綱「はい。特に長島は今、信長の攻勢に遭っています。追い払う事には成功しましたが周りは全て織田領であります。長島に長島から打って出るだけの力はありませんし、石山から後詰めの兵を動かすだけの余裕はありません。すぐにでも西へ向かいたいのが義信の本心であります。」

私(村上義清)「うちとの関係も維持したい?」

春日虎綱「そしてうちと北条が関東で戦ってくれるに越した事はありません。」

私(村上義清)「織田徳川の支援に動かれても困る?」

春日虎綱「義信からすればうちが武田陣営になる事が理想でありますが……。」

私(村上義清)「お前はそれを許さない?」

春日虎綱「言わずもがなであります。」

私(村上義清)「幸隆はどう思っているか?」

春日虎綱「武田と北条が駿河で泥沼化する事が理想でありましょう。あと武田には守るに難しい滝山に入ってもらいたいと考えていると思われます。」

私(村上義清)「小田原の目を駿河滝山に集中させている内に、鉢形から川を南下する?」

春日虎綱「実現しない事は承知の上でありましょう。その件につきましては上野からの便りを待ちましょう。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ