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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
同盟崩壊

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調達

私(村上義清)「一度で。か……。」

春日虎綱「はい。その理由は兵の規模だけではありません。今のいくさで不可欠なものがあります。」

私(村上義清)「種子島だな。」

春日虎綱「はい。その種子島を活用するには大量の玉薬が必要となります。問題はその玉薬であります。うちはまだ良いです。越後から手に入れる事が出来ますし、真田様が関東管領の代理を担う事になりましたので調達に掛かる費用も節約する事が出来ています。

 問題は義信です。武田は馬を主体にした編成を組んでいます。それ自体は悪くありません。機動力と言う強み。馬の突進により相手に恐怖心を植え付ける事が出来ますので。ただ武田が騎馬隊を組織しているのはそれだけではありません。理由は2つ。

 玉薬が高価である事。その購入費用に耐え得るだけの経済力を持っていない事が1つ。そしてもう1つが玉薬の調達先である堺が信長の直轄地になっている事であります。

 うちはまだ良いです。輝虎が堺を介さずに玉薬を手に入れる方策を持っていますし、うちと信長の関係を考えますと堺から購入する事も不可能ではありません。一方の義信はどうでしょうか?武田と徳川の関係は必ずしも良好なものではありません。むしろいついくさになってもおかしくない状況にあります。お互いがお互い将軍様から大義名分が与えられていますので。その徳川と同盟関係にあるのが織田信長。玉薬の購入先である堺を押さえている人物であります。どうでしょう?信長が長島の攻略に手こずり、義信が駿河を掌握。徳川といくさを始めた場合、信長は気前よく堺にある玉薬を甲斐に売り渡すでしょうか?」

私(村上義清)「あり得ないな。」

春日虎綱「そうです。この事は義信も承知しています。故に彼は玉薬に頼らない。地場に育つ良馬を活用する道を選んだのでありましょう。武田の騎馬隊は相手にとって脅威であります。恐怖であります。目の前にして戦ったら勝つ事は出来ないでしょう。」

私(村上義清)「武田の騎馬隊を食い止める方法がある。って事だな?」

春日虎綱「はい。しかし我らでは出来ません。一度二度のいくさであれば可能であるかもしれませんが。」

私(村上義清)「堺を押さえている信長であれば実現可能な戦術か?」

春日虎綱「美濃尾張の経済力でありましたら。ただ今は堺から尾張美濃への行き来に障害となるものがありますし、武田といくさをするのは家康であります。」

私(村上義清)「畿内が落ち着いていない今の時期しか残されていない?」

春日虎綱「そう見ていただいて問題ありません。」

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